アプリケーション仮想化の実力、IE8サポート終了の「延命策」としても注目:IT導入完全ガイド(4/4 ページ)
Windows XPやWindows Server 2003のサポート終了に続き、2016年1月にやってくる「IE8のサポート終了」。これらの延命策としてアプリケーション仮想化が再注目される。
ここからは、アプリケーション仮想化についての最新動向を紹介しよう。
新たなアプリケーション配信手法
最近では、アプリケーション仮想化を用いて仮想デスクトップを展開した際に、リアルタイムにアプリケーションを配信する技術が登場している。一般的には、仮想デスクトップ上から直接インストーラーを起動したり、アプリケーションをインストールしたマスターイメージをサーバ側で用意して展開したりすることでアプリケーションが利用できるようになるが、仮想マシンのファイルを仮想デスクトップにアタッチするだけでリアルタイムに反映できるような仕組みが提供されている。
VMwareが提供している「APP Volumes」と呼ばれる仕組みだ。配信するアプリケーションのファイルなどが保存されているコンテナである「AppStack」がVMDKファイルとして構成され、既に稼働している仮想マシンにこのコンテナをアタッチするだけで、仮想デスクトップ上ですぐに利用できるようになる。アプリケーションの配布などライフサイクル管理を容易にしてくれるソリューションだ。
画面転送を実現する「プロトコル」の新たな機能
アプリケーション仮想化を利用する場合、サーバ側で動作した結果を画面転送する方式を紹介したが、その快適なユーザー体験を可能にしているのが画面転送プロトコルだ。具体的にはシトリックスであれば「ICAプロトコル」、VMwareであれば「PCoIPプロトコル」がそれに該当するが、プロトコル自体もモバイルなど十分に帯域の確保できないデバイスへの快適な環境を提供する機能が強化されている。
例えば、シトリックスではICAプロトコルの中にある32個のサブチャネルが独立した役割を持っているが、画面転送部分はこれまで「DCR」「Thinwire」の2つが担っていた。そこで新たに登場したのが「Framehawk」と呼ばれるサブチャネルで、ネットワーク環境が悪い条件下であっても快適なユーザー体験を可能にするテクノロジーだ。この技術は2014年1月にFramehawk社を買収したことで機能が実装されたものだ。機能としては見えにくい部分ではあるが、プロトコルレベルでの進化も続いている。
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