6つの企業事例で分かる「アプリケーション仮想化」活用術:IT導入完全ガイド(1/3 ページ)
多くのスマートデバイスが業務利用される昨今、これまでの働き方と異なる「ワークスタイル変革」に取り組む企業が増えた。アプリケーション仮想化の活用方法を紹介する。
スマートフォンやタブレットなど新たなデバイスが業務の中で利用されている昨今、これまでの働き方とは異なる新たなワークスタイルへ取り組む企業も増えている。そこで、いわゆる「ワークスタイル変革」の名のもとにさまざまなソリューションが登場しているが、実はアプリケーション仮想化もその有力なソリューションとして幅広く利用されていることをご存じだろうか。今回は、ワークスタイル変革に適したアプリケーション仮想化のイロハについて見ていきながら、その実例の幾つかを紹介しよう。
ワークスタイル変革とアプリケーション仮想化の関係
2015年の今、ワークスタイル変革はさまざまな場面で議論が進められ、実際に新たな働き方に挑戦している企業は少なくない。少子高齢化や労働力人口の急激な減少などに対応していくには、子育てしながらでも女性が活躍できる場を支援するなど職場環境の改善が必要だ。
ITの力を使うことで、これまで働くことが困難だった環境の人にも働く環境を提供し、いつでもどこでも仕事が遂行できる環境を整備することが可能になる。移動時間に情報収集や業務の一部を行うだけでなく、出社せずに自宅で作業できる環境などを作り出すことができ、テレワークなど新たな働き方へシフトチェンジすることだって可能になる。ワークスタイルを変革していくことは、もはや避けては通れない状況だといえる。
では、ワークスタイル変革に対してアプリケーション仮想化がなぜ有効なのだろうか。時間や場所にとらわれることなくさまざまな環境で働けるようにするためには、情報にアクセスするためのインフラ作りがまずは必要だろう。
特に社内に格納された情報資産にアクセスできる環境の整備が必要になるが、そのためにはモバイルPCやタブレット、スマートフォンなどあらゆるデバイスから柔軟に社内リソースへアクセスできるモビリティ性能の高い仕組みが重要になる。しかも、デバイスによってユーザー体験を大きく変えることなく、同じ感覚で利用できるものが求められる。
また同様に必要になってくるのが、いかに安全に情報資産にアクセスするのかというセキュリティの観点だ。情報漏えい事件が相次ぎ、標的型攻撃など外部からの脅威にもさらされている企業のシステム環境にあって、いかにセキュアな環境を維持できるのかは大きなポイントになる。
これら「モビリティ」と「セキュリティ」をうまく両立させるのが、実はアプリケーション仮想化技術なのだ。アプリケーション仮想化であれば、クライアント側がMac OSやiOS、AndroidなどWindows OSでなくともサーバ上で動かす業務アプリケーションの入出力をコントロールし、結果を画面転送してくれる。
しかも、クライアント側にデータを残さないため、情報漏えいなども起こすことなく高度なセキュリティ環境を担保してくれる。アプリケーション仮想化は、ワークスタイル変革の際にも大きな貢献をしてくれるソリューションなのだ。
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