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BYODの実態、結局進んでいるの?IT導入完全ガイド(2/4 ページ)

スマートフォンの爆発的な普及と業務アプリのクラウド化によって多くの人の関心を引くBYOD。現状を明らかにしながら、考え方の基本について解説する。

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BYODにおけるメリットとデメリット

 ここで、BYODにおけるメリットやデメリットについておさらいしておきたい。

 メリットで語られるものの多くは、自分の使い慣れた端末を活用することによる業務効率化をはじめ、いつでもどこでも情報にアクセスできることによるワークスタイル変革、会社支給の端末との2台持ちを解消することによる負担軽減や満足度の向上、そして会社支給の端末が減ることでのコスト削減効果などだ。

 その一方で、私物端末の置き忘れなどのセキュリティリスクや問い合わせ業務など運用の負担増、そしてどこでも業務が遂行できてしまうことによる「見えない残業」など労務管理の観点での課題など、そのデメリットもよく話題に上る。

 ただ、技術の進展に伴ってセキュリティリスクなどは大幅に軽減できるような環境が整っており、ITリテラシの向上によって問い合わせ業務がさほど負担にならないなど、デメリットが解消できる環境が整いつつあるのも実態だ。

BYOD導入のメリットとデメリット
図1 BYOD導入のメリットとデメリット

 上記に挙げたメリットやデメリットは確かに存在しているが、そもそも管理対象外の私物スマートフォンで電車の移動中に業務メールを確認するといった、広義の意味(後述)でのBYODは当たり前のように行われてしまっている。BYODに関する課題はきちんと整理すべきではあるが、「既に常態化している環境をしっかり管理できる基盤を作る」ことが急務となっている企業も実際は少なくない。

BYODとシャドーITの関係性

 BYODは、あくまで私物の端末を業務に利用するものであるが、実際にはその線引きは企業によって曖昧な場合がある。前述した通り、自分の会社宛に届いたメールを自分が管理するGmailアカウントに転送し、行き帰りの電車の中で私物スマートフォンを使って業務メールを確認するといった使い方をしている人もいるはずだ。

 これは広義の意味ではBYODに当たるが、管理部門が黙認してしまっている前提で考えれば「シャドーIT」化した状態といえる。情報漏えいなどセキュリティリスクを考えると、社内の運用規定を定義した上で、きちんとした管理下におけるような状態を作るべきだ。BYODは、企業が業務内で私物端末の使用を認めた状態を前提にした考え方だと捉えておきたい。

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