制度対応の負荷を軽減、「6つの実施プロセス」で選ぶストレスチェック対策ソリューション:IT導入完全ガイド(5/5 ページ)
制度対応にかかる人的、時間的負荷が重荷だ。ストレスチェック実施を6つのプロセスで整理し、適切なソリューション選びのポイントを解説する。
面接指導を助けるソリューション
面接指導の前段階で従業員からの申し出を受け付け、その人に情報開示の同意を得る必要がある。ITソリューションを利用する場合は、判定通知の際に該当者に面接指導が受けられる旨の通知を行い、面接指導の申し出と情報開示への同意を同時に受けることができる。その後面接を手配し、面接担当者の意見を聞き、該当者の就業条件の変更などを検討することになる。
ここで最も重要なのが、面接を誰が担当するかである。専門医が当然望ましいが、信頼できる専門医を、自社で探し当てて契約するのはなかなか難しい。この問題に対して、現在ソリューションベンダーが全国の専門家のネットワーク作りに奔走しており、ソリューションの一環として専門医を実施者として調達できる仕組みを提供しようとしている。
高ストレス者の休職や退職リスクに密接に関連し、復職にも大きな影響を及ぼすのが面接担当者であることは論をまたない。緊急対応などの可能性も含め、適切な専門家に対応してもらえるかどうかが、ソリューション選定のキモになりそうだ。
組織分析や結果報告を助けるソリューション
ストレス判定の場合は個人向けに分析結果をまとめた報告書を作るが、職場環境改善に向けた取り組みを進めるときには集団分析(組織分析)を行う必要がある。10人以上の塊で個人が特定されないように集計したデータを分析するが、ここもベンダーごとに標準的な分析法やグラフ化のバリエーションがある。
もちろん厚生労働省が提唱する「仕事のストレス判定図」などにのっとって、組織のストレス状態把握ができるようなソリューションが望ましく、また自社の環境改善に生かしやすい分析結果を入手できるかどうかが評価のポイントになるだろう。
基本的にはどのようなソリューションでも(図7-1)のような集計表は入手できる。(図7-2)は「年代別」「職種別」「雇用形態別」などさまざまな切り口での分析結果だ。この切り口の種類や、見せ方についてはソリューションごとの特徴が出るだろう。
ただし、実際の活用シーンでは必要に応じた変更が加えられると思われるため、標準レポートだけで評価するのはあまり薦められない。多くのバリエーションを用意し、カスタマイズに応じてくれるベンダーを選ぶのが上策と思われる。
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