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大事なのは事業継続よりも目の前のPCだ、クライアントPCバックアップ事情IT導入完全ガイド(1/4 ページ)

誰もがその重要性を理解しつつも、クライアントPCのバックアップは企業内でないがしろにされた。ユーザー視点からクライアントPCのバックアップについて考えてみよう。

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 分かっちゃいるけどやってない――PCのバックアップをひと言で表すとしたら、そんな現状がある。誰もがその重要性を理解しつつも、クライアントPCのバックアップは企業内でないがしろにされてきた。東日本大震災以降、バックアップといえばディザスタリカバリや事業継続に重きを置かれているが、実際には「目の前のPCが壊れてしまったら…」と不安を抱く人も多い。そこで今回は、ユーザー視点からクライアントPCのバックアップについて考えてみよう。

大事なファイルを消しちゃった!」緊急時の備えはあるか?

 ビジネスにおいて「以前のファイルを取り戻す」という目的のバックアップはとても重要だ。PCバックアップ、そしてファイルサーバのバックアップは必須であると分かっていつつも、軽視している部署も多い。特に小さな部門やブランチオフィスでは、情報システム部や総務が認識していない「野良サーバ」に重要なファイルが保存されていることもあり、企業活動の継続を考えると好ましい事態とはいえない。

 また、OSが利用する重要ファイルを壊してしまい、PC自体が起動しなくなることも起こり得る。この復旧は情報システム部や総務が行う作業ではあるが、代替機の手配や作業の手間を考えると悩ましい問題である。

 特にPCやファイルサーバのバックアップは、「バックアップが動いているからPCが重くてうっとうしい」「ファイルを戻したいのに情報システム部がなかなか復旧作業をしてくれない」など、不満がたまりやすい。そのため、バックアップ環境を構築する際には、従業員に余計な手間をかけず、かつ業務に影響の出にくい仕組みにしないとユーザー側に受け入れられにくいのが現状だ。

 今日、PCの内部ストレージはHDDからSSDに移行しつつあり、可動部分のないストレージは故障と無縁に見える。以前であれば「すぐ壊れるHDDを保護する」という目的だったバックアップも、もはや不要に思えるかもしれない。

 しかし、機械的な故障はなくても「オペレーションミス」はなくならない。重要な文書をうっかり消してしまったり、上書きしてしまったりして、記憶を頼りに再作成なんてことはままあること。バックアップがあれば、簡単に元の状態に戻せるわけだ。

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