「0円」でスキャナー保存、弥生が目指す「会計業務3.0」とは:KeyConductors(3/3 ページ)
弥生は、中小企業や個人事業主など「スモールビジネス」における会計業務を進化させ、業務時間を8割短縮させるべく「会計業務3.0」を目指す。
クラウド会計サービスで他との差別化を図る弥生、次はさらなる規制緩和がポイントか
現在、会計ソフトの市場では大きな存在感を誇る弥生だが、クラウド会計ソフト市場ではやや出遅れた感もあったのは事実だ。マネーフォワード(MFクラウド会計)やfreeeなど、特に個人事業主を対象としたクラウド会計ソフト市場では機能も成熟し、今ではやよいの青色申告オンラインを含め、大きな差が無いという状況だった。そこにハードウェアを無償提供する戦略が、今後のシェア争いにどう影響するかは楽しみだ。レシート、領収書の処理は会計業務においても手作業による部分が多く、これを改善できるとした本機能は注目に値するだろう。
そしてこのスキャン取込/スキャナー保存制度の活用については、さらなる規制緩和も期待されている。現在は規則として「適性事務処理要件」に「相互けん制」「定期的なチェック」を「各事務について、それぞれ別のものが行う体制」を採るべしとしており、個人事業主はこの点でそもそもスキャナー保存制度の要件を満たしていない(参照:電子帳簿保存法Q&A(平成27年9月30日以後の承認申請対応分)>適用要件〜スキャナー編 問54、55)。
また、スキャン作業が「スマートフォンのカメラ」で代用できるようになれば、より多くの企業で利用が進むだろう。将来的にさらなる規制緩和が進めば、レシートをスマホで撮影するだけで会計業務が終わる時代が来るかもしれない。
なお、個人事業主であってもいますぐ「レシートをスキャンし、自動で会計処理をする」ところまでは利用可能だ(現時点では「原本保存」は必須)。会計処理に携わる従業員は、面倒な「紙」の対処としてこのような機能、制度をフルに活用してみてはいかがだろうか。
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