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顧客中心のマネジメント手法「CRM」選択の視点IT導入完全ガイド(1/3 ページ)

CRMは自社の顧客を理解する上で重要なシステムだが、導入してもすぐに効果が出るものでもない。だからこそ失敗したくないCRM選びの勘所に迫る。

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 CRMはセールスやサービス、マーケティングなどさまざまな領域にまたがって顧客との関係性を作り上げていくためのソリューションだ。自社の顧客を理解する上で重要なシステムであるため、ある意味業務システムの基盤として十分に検討する必要がある。そこで、CRMを選択する際のポイントについてみていきたい。

システム選びを念頭に置かない

 CRMソリューションの選び方を紹介する記事ではあるものの、最初からシステムありきの考え方をすると失敗してしまうものだ。CRMはあくまで顧客を中心にビジネスを考えるマネジメント手法であり、その観点を前提にソリューションが必要なのかを考える必要がある。

 「CRMを導入して顧客サービスをよくしていく」のではなく、「顧客サービスをよくするための1つの手段としてCRMを導入する」ということだ。だからこそ、まずは顧客に対してどういうサービスや商品を検討すべきなのかという議論からはじめていくのが本当の進め方になる。その手段としてソリューションが必要であれば、導入を検討していくことになる。システム前提でのプロジェクトは失敗の原因になりかねない。

負担をかけない入力手法が情報収集の肝に

 CRMの中心的なソリューションとして多く活用されている営業支援系ソリューションでよく話題になることだが、顧客を深く知るためにはコンタクト履歴をきちんと収集していく必要がある。情報を収集するためには、営業部門が日々の活動履歴をCRMに入力していく必要があるが、営業部門としては従来に比べて入力する負担がどうしても増えてしまう。

 そこで、できる限り入力の手間を減らしながら、さらに営業部門にメリットが出るような施策作りが必要だ。CRMソリューションに必要なのが、「シングルインプット・マルチアウトプット」という考え方。営業日報の代わりにCRMに入力さえすれば、営業会議資料や日々の報告資料、顧客読み表など日常業務に求められるさまざまな帳票を作成する必要がなくなるような仕掛けがソリューション側に欲しいところだ。管理者が分析しやすいという視点ではなく、現場が入力しやすい、蓄積した情報をほかの業務に活用しやすいような仕組みを選択する必要がある。

 また、CRMをできる限り日常の業務プロセスとして利用できる環境を作ることが重要だ。普段から利用している業務アプリケーションと連携するなど、CRMだけのシステムにせず“離れ小島にしない”仕組み作りを心掛けたい。

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