顧客中心のマネジメント手法「CRM」選択の視点:IT導入完全ガイド(2/3 ページ)
CRMは自社の顧客を理解する上で重要なシステムだが、導入してもすぐに効果が出るものでもない。だからこそ失敗したくないCRM選びの勘所に迫る。
テンプレート作りが柔軟な仕組みが重要
CRMは顧客とのやりとり情報を収集、管理することで顧客を知り、次のアクションにつなげることができるようになるソリューションだ。ただし、段階に応じて適切な情報が収集できなければ、顧客分析もままならない。
例えば営業部門であれば、初回のアプローチと見積提出後に顧客からヒアリングすべき項目は異なるのが当然で、集めたい情報には違いが出る。また、サービス部門であれば、初回に連絡いただいた顧客から聞いておきたい項目はしっかりと聞き出しておく必要がある。場面やレベルに応じてCRMに投入すべき情報が異なっていることからも、入力項目がきちんと段階に応じて設定できる仕組みが必要だ。
ベンダーによっては、業界ごとの標準テンプレートが用意されており、聞き出すべき項目があらかじめ設定されており、それを自社のビジネスモデルに応じて柔軟に変更できるようなものもある。企業ごとにナレッジが異なっている部分であり、基本のテンプレートがありながらも自分たちのノウハウをうまくツール側に吸収させることができる仕組みを選ぶべきだ。
もちろん、自社に必要な入力項目を作っていくのは難易度の高い作業になるが、売れている営業マンや顧客対応に評価のあるオペレータなどに十分ヒアリングし、そのノウハウをうまくツール側に反映できる仕組みを選択しよう。
戦略に応じてUIチューニングが簡便なツールかどうか
CRMはさまざまな顧客との商談履歴を収集、分析していくことが必要だが、年度の事業方針や営業戦略の見直しなどによって、必要になるアプローチや優先順位、戦略立案に欠かせない項目などが変化することになる。その際には、入力項目やUIそのもののカスタマイズがその都度求められることになる。
たとえクラウドサービスであっても、管理者が設定変更できるようなカスタマイズツールがあるかどうかは見ておきたいポイントになる。Webブラウザ上で項目フィールドの追加が行えたり、ドラック&ドロップによって動的なアプリケーション開発が行えたりなど、サービス側ではさまざまな環境が提供されている。業務フローの再構築なども戦略によっては起こり得るため、どこまで柔軟にできるのかによって現場への定着率が変わるはずだ。
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