仮想通貨の中核技術「ブロックチェーン」って何?:5分で分かる最新キーワード解説(1/3 ページ)
話題のブロックチェーン技術、聞いたことはあるけど詳しくは知らない。ブロックチェーン技術の基礎とは?
賛否両論がある中、話題だけは花盛りに見える仮想通貨だが、中でも「唯一」成功しているといわれるのが「ビットコイン」。今回は、その技術的中核をなす「ブロックチェーン」技術を取り上げる。名前はよく目にするが、イメージがなかなか入ってこないという人も多いかもしれない。また仮想通貨と聞くと、何やら胡散臭さがつきまとうのも事実。しかし、世界の大手銀行がそろってブロックチェーン研究にまい進している。
「ブロックチェーン」の仕組みとは?
「ブロックチェーン」は、P2P型の分散ネットワークを通じた「改ざんできない」取引システムを支えるオープンソースプロトコルのことだ。ビットコインの中核技術となっており、他の仮想通貨でも採用されている。中央でデータを集約、制御する仕組みがないにもかかわらず、取引情報の改ざんや二重取引が原理的に不可能な取引の仕組みとして各業界から注目を集めている。
今回は、仮想通貨とブロックチェーン技術に詳しい日本デジタルマネー協会代表理事でブロックチェーンハブのCMOを務める本間善實氏への取材を参考にした。
金融業界がブロックチェーンの旗振り役に
特に金融業界では台風の目のような存在になっており、クレディ・スイス、JPモルガン、UBSなどの世界の超大手銀行が現在40社以上参加する「R3コンソーシアム」がブロックチェーンを利用する共同プラットフォーム構築を目標にしたプロジェクトを推進中だ。これには日本のみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、野村グループ、三井住友銀行が現在までに参加しており、関心を寄せる金融機関はさらに多い。
何がそんなに興味を引くのかといえば、取引台帳に一度記載されたら二度と消せず、二重支払いもできない安全性、サイバー攻撃などへの強力な耐性だ。世界の金融機関がこんな取引台帳を共有できれば、取引にまつわる多様なコストを大きく削減できる可能性(一説には200億ドルとも)がある。また、応用領域は金融取引に限らず、さまざまなアイデアが出されており、各方面から期待が寄せられている。
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