大予想2020年、統合運用管理はどうなっている?(3/3 ページ)
ビッグデータやAI、IoTといった新技術がシステム運用管理にどのような影響を与えるのか。今後続々と実用化されるであろう先端技術を取り入れた統合運用管理製品の未来予想図を描いてみる。
IoT時代に求められる統合運用管理製品の機能や役割とは?
もう1つ、統合運用管理製品の未来を占う上で避けて通れない技術トレンドがIoTだ。今後IoTが普及すれば、大量のデバイスが世の中のありとあらゆる場所に設置される。これらの稼働状況を監視したり、遠隔から保守を行ったりするにはどうすればいいのか。そして、そこで統合運用管理製品はどのような役割を演じることができるのか。
先に紹介した統合ログ管理や統合イベント管理ツールの多くは、基本的にどのような製品やデバイスからのイベントやログでも収集できるオープンなインタフェースを備えているため、現時点でも連携インタフェースさえ実装すればIoTのイベントやログを取り込むことは可能だ。
しかし、果たしてIoTデバイスの監視を統合運用管理製品で行うことが最適解なのかどうか。あるいはIoTとデータをやりとりするためのネットワークの経路やインタフェースがセキュリティホールになりはしないのか。今後IoTビジネスが本格的に立ち上がってくるにつれ、こうした点が課題として持ち上がってくるだろう。
また、IoTの世界で扱うイベントやログのデータ量は膨大だ。一企業の社内システムのサーバやネットワーク機器が吐き出すイベントやログの量とは比較にならないほどだ。そうした大量のログデータに対するビッグデータ分析を果たして自社内で処理できるのか。これは何もIoTに限った話ではなく先に挙げた過去ログの分析でも当てはまる話だ。より精度の高い分析結果を得ようと思えば、自ずとより大量のデータを分析する必要性が出てくる。
そうした“重い”分析処理を統合運用管理製品自身に実装するのはあまり現実的ではない。そこで今後の統合運用管理製品では、社内外のデータ分析アプリケーションとの連携インタフェースが重要性を増してくるだろう。収集、整理したイベントログ情報を外部のデータ分析基盤に渡し、そしてそこで分析された結果をまた取り込んで予兆検知やプロビジョニングなどに生かすといった具合だ。
既に各ベンダーとも、自社が保有するビッグデータ分析基盤やAI技術と統合運用管理製品との連携に乗り出しているが、将来ビッグデータやAIがコモディティ化した暁には、やはりオープンなインタフェースを通じてさまざまな製品やサービスと広く連携できるようになるのだろう。
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