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東京で発見、完全手作業のサーバ工場に潜入IT導入完全ガイド(4/4 ページ)

取材班は「国内生産(しかも東京)のサーバ工場」の潜入に成功した。現場での光景は驚くものばかり。何とエントリーサーバが完全手作業で製造されていた。

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「ファクトリーエクスプレス」に国産サーバ製造現場の神髄を見た

 HPE昭島工場では、ここで紹介したようなエントリーサーバやそれ以外の上位サーバ製品の製造以外に「ファクトリーエクスプレス」というサービスが実行されている。ファクトリーエクスプレスとは、受注した同社のサーバ製品に対して、OSをインストールしたりオプションを組み込んだり、サーバ本体をラックに搭載したりといった基本的なサービスから、複雑なサーバ構成のインテグレーションサービス、コンフィギュレーション設定など専門的な設定までをこなすサービスだ。大規模なサーバシステムを発注した企業にとっては、その初期設定は思った以上に負担になるもの。その肩代わりをするサービスということだ。

 今回、工場への潜入を果たしたときにも、フロアの一角では某企業へ納入する大規模なサーバシステムの設定が行われていた。ラック数本にギッシリと詰め込まれたブレードサーバ、スイッチ、ストレージなどはモロモロの初期設定がすっかり完了し、動作試験後の納品を待つばかりとなっていた。試験が完了すれば、システムはラックごと納品され、納品先の企業では2営業日もあればすぐにサーバの運用を開始できるということだ。単にサーバを受注して生産するだけではない、HPE昭島工場の神髄を見た気分だ。

ファクトリーエクスプレス
図16 ファクトリーエクスプレスのサービス概要
ファクトリーエクスプレス
図17 「ファクトリーエクスプレス」部門で、サーバの一括セットアップが行われていた
ファクトリーエクスプレス
図18 ラックにサーバ本体などなど各種機材がセットアップされていた。なおセットアップ後に運搬しやすいようパレット上で作業が進められていた
LANケーブル
図19 ファクトリーエクスプレスでシステムを構成する場合、細めのLANケーブルが使われる。大規模システムでは限られたラック内のスペースで配線する必要があるので、細いケーブルが重宝されるという。写真上のものが従来のケーブル、下の物が細いケーブルだ。ちょっとの差でもこれが束になると大きな違いが出てくるのだ
実働試験
図20 ネットワークの配線も完了し、実働試験が行われていたシステム。間もなく某企業へ出荷される

 終始丁寧な仕事ぶりを見せつけられたこのHPE昭島事業所の工場見学。1台1台丁寧に、魂が込められるような生産現場だった。これだけ丁寧な仕事で、受注から納品まで最短5日というのは素晴らしいのではないだろうか。

 われわれが気軽にBTOで注文した製品が、実際のところ1台ずつ生産されていると思えば、オプションを選択する手も震えるというものだ。今後も「Made in Tokyo」を合言葉に、高品質なサーバ製品が作られ続けることを期待したい。

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