検索
特集

情報システム関連の資格取得状況(2015年)/後編IT担当者300人に聞きました(2/2 ページ)

308人を対象に情シス関連の資格状況を調査した。資格未保有者に対し、必要性や持たない理由、そして資格支援制度を尋ねた。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

必要性を感じる理由はやはり「キャリアアップ」

 次に資格を保有していない人に、取得したいと感じる理由を聞いてみた。その結果、「転職など、社外でのキャリアアップにつながるため」(39.5%)と「昇進、昇格など、社内でのキャリアアップにつながるため」(34.9%)が多い。

 特にIT製品関連業ではいずれも高い割合になった上、「資格を取得すると資格手当がもらえるため」とする回答も27.3%に上った。流通・サービス業全般でも「資格・検定の内容(保有)が実務で必要(必須)としているため」が33.3%となっており、前編でも公開した既に資格を取得している人の理由と同様に、「自分の業務や待遇に関わってくるから」という理由が大きいようだ。

 資格取得に際して重視するポイントは、資格取得者と同様、「実務への生かしやすさ」が61.4%で第1位だが、続けて「勉強のしやすさ」(59.1%)、「資格取得までの費用」(54.5%)となっている。これから勉強を始める人にとっては、どれだけ資格取得のハードルが低いかもポイントになりそうだ。

 これらの資格取得に向けて、どういった形で勉強を進めたいかを尋ねたところ、最も多いのは「参考書を購入し独学で勉強したい」(68.2%)だった。しかし、資格取得者に比べると「Eラーニングを利用したい」という声も多く、全体の31.8%に上った。一方で、「専門学校や大学に通いたい」は0.0%という結果だった。

会社の「資格支援制度」、評価は真っ二つ

 資格取得への学習を支えるのが、会社が用意する「支援制度」だ。今回、資格状況に合わせ、企業の資格支援制度の有無を聞いた(図2-1)。その結果、「支援制度はない」との回答が55.2%、「支援制度はある」との回答が44.8%だった。

 しかし、企業規模別で見ると100人以下の規模では「ある」が22.7%だが、1001人以上の企業では54.5%に達している。資格制度の有無は、全体と通してみるとほぼ半々の結果となったが、企業規模による差が大きいことが分かった。

 具体的な支援内容を聞いたところ、「資格を取得すると受験料を負担してもらえる」(64.7%)、「資格を取得すると資格手当が支給される」(55.1%)というものだ(図2-2)。中には、「合否に関わらず学習費用を負担する」という太っ腹な回答も17.6%あった。

 だが、こうした支援制度が生かされているかというとまだまだで、「支援制度を利用していない」という回答者が43.0%に達した(図2-3)。ただ、ほぼ同数の41.5%が「支援制度を利用し、実務に生かしている」と回答しており、フリーコメントには、「そもそも資格取得は自分のスキルアップのためであり、支援はそれほど必要ない」とする回答がある一方、「一定のモチベーションになる」「キャリアアップになる」と評価する声もあった。さらには「こうした支援制度がある会社は、いい会社だと評価されると思う」という回答も寄せられた。

資格支援制度の有無・企業の資格支援内容・支援制度の利用経験
図2 資格支援制度の有無・企業の資格支援内容・支援制度の利用経験

 一連の調査を通して、資格取得者に対する待遇や資格支援制度の有無が資格取得における後押しになることが見えてきた。本調査で、参考書を利用し独学で勉強する以外にもEラーニングや通信学習を利用して勉強を行う人や、社内外の勉強会や学習サークルに入っている人の声も多く聞こえた。会社としてこうした制度的な仕掛けをうまく作りモチベーションを引き出すことが、社員それぞれのキャリアアップ、ひいては自社のビジネスに役立つとも言えそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る