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ERP、国内主要3業種で「磨き」をかけるべきポイントIT導入完全ガイド(1/3 ページ)

製造業、卸売・小売業、サービス業という日本企業の代表的な3つの業種に焦点を当てて、ERPをより有効に活用するためのポイントについて考えてみたい。

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 日本には業界ごとに特有の商習慣や業務プロセス、準拠しなければならない法制度などがある。そのためERP導入時には汎用(はんよう)的なパッケージをそのまま適用するだけでは対応しきれず、独自のカスタマイズを施す企業も多い。それはコスト増や導入期間の長期化を招くことにもなる。そこで重要となるのは「注力すべきところ」をどこにするかだ。本稿では、製造業、卸売・小売業、サービス業という日本の主要業種に焦点を当て、ERPをより有効に活用するためのポイントについて考えてみたい。

そもそもERP導入は何のため?

 ERPは統合基幹業務システムとも訳される通り、財務会計や人事給与、生産管理、購買、調達、物流などの基幹業務システムを横断的に統合し、業務プロセスの効率化や全体最適を実現するものだ。大企業を中心に導入が進み、徐々に中小企業へと裾野が広がっている。だが、導入したものの十分に使いこなせていないという声も聞かれる。

 多くのERPベンダーが「カスタマイズ不要」をうたう。確かに汎用パッケージを利用するだけで全ての業務処理を委ねられるならばそれに越したことはないが、そうはうまくはいかないのが実情だ。なぜならば業界や企業ごとに独自の商習慣や業務プロセスというものがあるからだ。業種業態別のテンプレートを適用したとしても最終的にはカスタマイズが発生し、それはコストと導入期間の長期化へとつながる。

 費用をかけてカスタマイズするならば、やはり自社のビジネスの強みとなる部分に集中的に投資して磨きをかけたい。一方で財務会計や給与計算といった汎用的な業務処理はそのままERPパッケージに任せるわけだ。これが現実に即した考え方だろう。

 とはいえ、注力すべき部分は業種ごと、企業ごとに違ってくる。しかしながら、全てを網羅するには紙面が足りない。そこで今回は製造業、卸売・小売業、サービス業といった日本の主要業種について考えてみよう。内閣府の「国民経済計算確報」によれば、2013年の名目GDPにおける産業別構成比は製造業が18.5%、卸売・小売業が14.5%、サービス業が19.9%。この3業種で過半数に達するのだ。

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