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最新ネットワークカメラの実力、持ち逃げ犯や違法ドローンも即検知IT導入完全ガイド(2/3 ページ)

2020年に向けネットワークカメラの進化がすごい。車の逆走やスプレー妨害、物品持ち逃げ、300メートル先のドローンも即検知し、4Kカメラの設置が実はコスト削減につながる。

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4K、フルHDの高精細映像によりカメラ1台のカバー領域が広がる

 ネットワークカメラの進化で特に注目すべきなのが高画質化だ。アナログカメラは640×480画素(VGA、SD)から1280×1024画素(SXGA)程度の画素数だが、ネットワークカメラでは1280×720画素(XGA、HD)、1920×1080(フルHD)、3840×2160画素(4K)までの各種製品が販売されており、4KモデルではSDモデルの実に27倍の画素数が記録できる。

 画素数と映像品質は必ずしも比例するわけではないが、画素数が多いほど細かい部分まで見えるようになるのは当然のこと。例えば室内映像に小さく映る人物の顔が鮮明に分かり、野外では広い範囲を捉えても、遠くの人や車の侵入の様子などがくっきりと判別できるようになる。画素数が多いほど広大なエリアでもカメラ台数を最小限に抑えることができるため、カメラ台数節約には効果的だ(図3)。

図3 HDカメラと4Kカメラの監視エリアの違いと画質の差
図3 HDカメラと4Kカメラの監視エリアの違いと画質の差(出典:パナソニック)

PTZ機能と全方位カメラ

 特にリアルタイム監視において、移動する対象物の行動を監視する場合に有効なのがPTZ(パン・チルト・ズーム)機能。カメラのPTZ機能をリモートから操作する機構が多くのカメラに搭載されており、角度を変えたりズームしたりして、見えにくい箇所での行動の追跡や詳細確認ができる。

 また近年増えているのが魚眼レンズのような超広角映像が得られる「全方位カメラ」だ。こちらは固定したままの状態で360度くまなく撮影できる。その映像は全体が見渡せるものになる一方、外周付近がゆがむのだが、必要とあらば画像処理により、エリアを分割してゆがみを補正した映像にすることもできる。

図4 全方位カメラの一例と、その映像、ゆがみ補正後の映像
図4 全方位カメラの一例と、その映像、ゆがみ補正後の映像(出典:パナソニック)

 広いエリアを対象にしながら、カメラ台数は最小限で済み、映像の一部をクローズアップしても鮮明な画像が得られるのが高画素カメラを利用する利点だ。

 またこうしたカメラ機能と連動して利用できる「全方位集音システム」にも注目したい。例えば図5のような室内で1本のマイクで集音すると、フロア内の各ブロックでの会話が混ざり合って聞き取りにくくなる。

 マイクを複数使ったマイクアレイ装置(カメラ合体型もあり)を用意すると、必要のないブロックの音をカットし、聞きたいブロックの音だけを抽出してクリアに聞ける。全方位映像と全方位集音の組み合わせによって、現場での人による監視をも超える情報が得られることになる。

図5 全方位カメラで捉えた室内の音声を全方位収録、特定エリアだけの再生が可能
図5 全方位カメラで捉えた室内の音声を全方位収録、特定エリアだけの再生が可能(出典:パナソニック)

コラム:全方位カメラと全方位集音システムで300メートル先のドローンを検知

 今話題のドローン(小型無人航空機)の飛来を300メートル離れたところから確認可能にする「ドローン検知システム」が2016年、パナソニックから発表された。これは全方位集音システムと全方位カメラを組み合わせたシステムで、32個のマイクアレイで飛来音を検知、PTZ機能を活用してカメラでその姿を撮影するというもの。テロ対策を真剣に考えなければいけないこの時代、ネットワークカメラとその周辺の技術は、東京五輪に向けた保安対策の一環としてもますます注目されるだろう。

暗いところでもカラー撮影が可能に

 カメラ性能としてもう1つの進化ポイントが低照度性能だ。カメラに搭載される撮像デバイスはCCDからCMOSに移行して久しいが、年々感度が向上しており月明かり程度の光(0.08ルクス)でも100m先の人物をカラーで認識できるような製品が出てきている(動画左がキヤノンの望遠低照度性能に優れたVB-M50B)。最先端の製品(ソニー発表、未発売)では0.004ルクスというほぼほぼ真っ暗闇でのカラー撮影が可能になっており、いずれ普及価格帯での低照度性能向上が見込める。

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