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モバイルアプリ開発は75%が失敗を経験、成否を分ける「MADP」選びIT導入完全ガイド(2/4 ページ)

企業におけるモバイル活用は業務改善につながる多くの可能性を持つ一方、開発成功例は多くない。成否を分けるポイントはどこにあるのか?

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MADPで注目すべき4つの「統合」

 モバイルアプリ開発には各OSベンダーから開発用SDKが提供されており、iOSならObjective-CやSwift、AndroidならJava が使いこなせれば、そうコストをかけずに開発できる。Webベースのアプリなら、Ionic、AngularJS、Onsen UIのようなオープンソースの開発フレームワークの利用もできる。CordovaやPhoneGap(アドビシステムズ提供のCordovaディストリビューション/無償)はクロスプラットフォーム開発に絶好だ。C#で開発したいなら、Xamarin(2016年3月にマイクロソフトが買収完了)がVisual Studioに追加費用なしで含まれるようになり、クロスプラットフォームでネイティブアプリ開発が可能になっている。

 なぜ、有償のMADPツールが必要なのだろうか。その答えは「統合」にある。

開発環境の統合

 1つの開発環境に慣れておけば、複数OSに対応するネイティブアプリ、Webアプリ、ハイブリッドアプリが作成できる。また、デバイスOSはもちろん利用するフレームワークにもバージョンアップはつきものだ。モバイルアプリがその影響を受ける可能性は十分あり、統合プラットフォームを使わない前提だと自前で全ての対応を図る必要がある。たとえ動作確認だけで済んでも、その工数は無視できない。

 ただし、クロスプラットフォーム開発が可能というメリットの価値は、企業内利用の場合には相対的に低くなる。デバイス管理やセキュリティ面から、利用デバイスの標準化が求められており、ネイティブアプリ開発で事足りる場合が多くなっているからだ。しかしOSバージョンアップやフレームワークなどの更新にベンダー側で対応してもらえ、セキュリティもツール機能で担保できるという運用・保守領域での大きなメリットがあり、たとえ特定デバイス対象の開発であってもMADPを利用する価値があるといえる。

デバッグ/テスト機能を利用したコラボレーションの統合

 フロントエンド開発ではUI/UXが業務効率にもユーザー満足度にも直結するため、アプリの機能と性能の体感が重要だ。開発ツール上のシミュレーターによる確認や、実機による確認が簡単にできる仕組みが盛り込まれたMADPなら、開発者とユーザーが実画面の動作を見ながら対面やSNSなどで議論を交わしながら仕様を固めたり、品質をブラッシュアップしたりするのが簡単だ。例えば図3のmonacaの例では、コーディング(図4)や修正の結果を、コンパイルの手間をかけずに開発者やユーザーの手元にあるデバイス上のデバッグアプリ(図5)へ即座に送り、ボタン1つで結果を確認できる。このようにビルド前の確認が可能な機能が他製品にも備わっている。

図4 クラウドIDEでの開発作業
図4 クラウドIDEでの開発作業(出典:アシアル/monaca)
図5 デバイス上のデバッグアプリ
図5 デバイス上のデバッグアプリ(出典:アシアル/monaca)

 さらにツールによってはチャットツールの「Slack」との連携など、コラボレーションを促進するオプションを持つものがある。こうした機能はユーザーと開発チームが一体となって短期開発を行うアジャイル開発での共通理解に特に重要で、チームワークを緊密にする効果もある。

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