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デスクトップ仮想化の導入状況(2016年)/後編IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)

キーマンズネット会員374人を対象にアンケート調査を実施した。デスクトップ仮想化を導入した企業が抱える課題が明らかになった。

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「パフォーマンスさえクリアできれば」という意見が多数

 では「導入後に明らかになった課題(複数回答)」(図3)はどうだろうか。フリーコメントと併せて見ていこう。「ネットワークのパフォーマンス(56.7%)」「サーバのパフォーマンス(44.3%)」「ストレージのパフォーマンス(30.9%)」「運用負荷の増加(22.7%)」「コスト増加もしくは変わらない(15.5%)」の順となった。

 これらの割合を「導入しない理由」と突き合わせてみると、「可用性」や「安定性」については、導入後に問題が顕在化する傾向にあり、逆に「コスト」面は導入後にも問題にならない(想定との乖離(かいり)が少ない)傾向にあるといえそうだ。

 導入後に明らかになった課題についてのフリーコメントを見てみると、「接続障害などの不具合が解消できない」「利用する端末のOSが変わるごとに検証確認が必要で、すぐに使えない」「定量的な導入効果の把握方法(特に直接経費:交通費低減効果、生産性向上効果など)が分かりにくい」という声があった。

 逆に、導入に満足している回答者のフリーコメントを見ると「時間と場所を問わず、同一の環境を利用できる」「自社拠点であれば、全国どこの事業所でも普段の作業環境で仕事ができる」「情報漏えいの予防と利便性が両立できる」「モバイルシンクライアントを使用しているので、外出先でのセキュリティ対策ができる」「フリーアドレスとともに導入しているため、社内はもとより、社外どこでも仕事ができるため重宝している」といった、仮想デスクトップ導入の王道の目的を達成できた、という声が多い。

 この他、「端末のキッティングやメンテナンスにかけるコスト(人件費)が少ない」「個別のパッチ適応などの操作が不要」「旧OS上で開発された業務アプリケーションが新PC上で利用できる」「不具合時はコールセンターに対応してもらわなければならないが、取りあえずは24時間対応してもらえる」「PC関連で問い合わせを受けた際に、電話や文章では相手の技術レベルによる限界はあるが、仮想デスクトップの場合はこちらで操作できるため、時間がかからず便利」といった、運用担当者の省力化や生産性向上に役立っているという意見も多く見られた。

導入後に明らかになった課題(複数回答)
図3 導入後に明らかになった課題(複数回答)

 デスクトップの仮想化について、前編では、「大企業を中心に2年間で導入済みが10ポイント伸びている」こと、「導入の目的がより多様化し、『セキュリティ』『内部統制』『事業継続性』『生産性』などが上位を占めている」こと、「導入時の重視ポイントとしては、『安定性』『導入コスト』『レスポンス』が上位を占めている」一方で、「『レスポンス』に対する不満は多い」ことなどが明らかになった。また、後編では、「満足度は、レスポンス(パフォーマンス)の改善によって大きく向上している」こと、「パフォーマンスさえクリアできれば、セキュリティ・利便性・生産性は高い」ことなどが明らかになった。

 導入時にレスポンスを重視しているにもかかわらず、導入後の不満でもレスポンスが挙げられていることから、パフォーマンス改善に特化したアセスメントサービスや応答性能向上のためのソリューションの利用も併せて検討するとよいだろう。

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