LINEがビジネス市場に登場、個人LINEと連係できる唯一のビジネスツールに:KeyConductors(2/3 ページ)
コンシューマー市場で圧倒的なシェアを誇る「LINE」とつながる唯一のビジネスコミュニケーションツールとして「LINE WORKS」は新しい一歩を踏み出した。
モバイルでもチャットやメール、カレンダーなどのフル機能を使える
一方、2016年1月から企業向けコミュニケーションツールとしてサービスを開始したWorks Mobileは、チャットやメール、カレンダーやドライブ(クラウドストレージ)などを1アプリに集約し、各機能をシームレスに連係できる使いやすさからユーザーを獲得してきた。
複数人でチャットするグループトークの画面からグループ内のメンバースケジュールを確認し、空き時間を自動的に見つけ出して会議室を予約するなどが可能で、外出先からもスピーディーな連絡、各種調整が可能だ。
「サービス開始からは1年ほどだが、ユーザー企業数は増加しており、直近では東京海上日動火災保険が3万アカウントで導入するなど、大手企業の導入も増えてきている」と語るのはワークスモバイルジャパンの代表取締役社長 松橋博人氏だ。
今回発表したLINE WORKSでは、社内間のコミュニケーションに加え、社外および顧客となる一般消費者のLINEアカウントとつながれるようになることが大きな変更点だ。
一般消費者のLINEアカウントとつながり、情報共有のスピードUPへ
一般消費者のLINEアカウントとつながることができれば、ビジネスでどのようなコミュニケーションシーンが生まれるのだろうか。
例えば、不動産業や自動車業、保険業界などでは、商品購入の際やまたその後のサポートなど連絡を密にとることも多い。これまで顧客とはメールや電話でのやりとりが多く、対応できない時間帯やメールの見落としにより情報共有のスピードが早いといえるものではなかった。それがLINEを用いて連絡が取れるようになれば、メッセージのやりとりや画像、動画の共有などの共有がスムーズになり、情報共有のスピードが上がる。煩わしいと感じていたメールや電話から顧客を解放できる。
顧客(一般)のLINEアカウントとの連係方法は次のようになる。導入企業のLINE WORKS管理者が担当者のアカウントを一般のLINEアカウントと連係できるよう設定し、担当者が自分のLINE WORKSアカウントを顧客のLINEからQRコードなどで読み取り、友達申請してもらう。その後は連絡したい内容をLINEと同じようなコミュニケーションの流れで行えばいいだけだ。
なお、これまでLINEが提供してきた法人向けサービスのLINE公式アカウントやLINE@とLINE WORKSとの違いは、前者は「企業の窓口」と消費者がつながるためのもの、後者は「企業の一担当者」と一消費者がつながるためのものだという。
既にミズノやIDOM(旧ガリバーインターナショナル)、キャリアデザインセンター、オープンハウスなどの企業がLINEとLINE WORKSを連係させると表明しているという。例えばIDOMでは店舗の販売員が中古車を検討されている顧客と連絡を取ったり、ミズノでは社外の取引先とより密接なコミュニケーションをとったりする。キャリアデザインセンターでは転職を検討中の転職希望者と社内の転職コンサルタントがより密にコミュニケーションをとるために導入を検討しているという。
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