BCPとバックアップツールの導入状況(2016年)/後編:IT担当者300人に聞きました(2/3 ページ)
キーマンズネット会員401人にアンケート調査を実施した。バックアップツールの導入目的や稼働状況、リストア経験の有無などが明らかになった。
該当部署であってもリストア経験者は半数程度
次に、前節と同じく「バックアップツールを導入済み」とした回答者に、バックアップを方法は何かを聞いたところ、「データバックアップ(ファイル、レコード単位)」が80.4%、「イメージバックアップ(OSやアプリケーションなどシステム全体)」が46.2%となった。その他としては、「NotesDB単位」「バックアップというより同期させている」といった回答も少なからずあった。
では、リストア経験についてはどうだろう。バックアップツールでリストアを行った経験があるかどうかを聞いてみたところ、「ある」が32.4%、「ない」が32.1%、「リストアを行うべき部署に所属していない」が34.0%という結果であった。3分の1がリストアをすべき部署でないためそれを除外すると、「ある」と「ない」がほぼ半分ずつとなり、該当部署であっても半数がリストア未経験者という状況が明らかとなった(図3)。
また、大企業ほど未経験率が高いことも気になる。このあたりは、前編の最後で触れた「自社のBCPに関して、課題を感じる部分や意見」に対するコメントにもあったように、大企業といえども実務訓練が足りていない現場が少なくないことも影響していそうだ。
経験者であれば分かることと思うが、バックアップは機械的に、また自動化が可能であっても、リストアは必ずしもそうはいかない。トラブルのケースごとに、復元ポイントとする時刻の設定が最適かつ処理時間が最短になるようなオプションの選択、組み合わせが求められる。
加えて、開発機で操作には慣れていてもいざ公開環境(本番機)となれば、所要時間がデータ容量とリニアな関係になるかどうかは、やり方によっても変わってくる。せっかくよいものを導入していても、宝の持ち腐れになっていないか、いま一度、要員や外注先のスキルを検証してみても損はないだろう。
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