BCPとバックアップツールの導入状況(2016年)/後編:IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)
キーマンズネット会員401人にアンケート調査を実施した。バックアップツールの導入目的や稼働状況、リストア経験の有無などが明らかになった。
「クラウド環境でのバックアップ機能」と「リカバリーの早さ」を求める傾向に
次に、「バックアップツールを導入済み」とした回答者に、バックアップツールに必要な機能を聞いたところ、「スケジューリング機能(64.1%)」「差分バックアップ機能(62.5%)」「ジョブ管理機能(監視機能)(47.1%)」「仮想環境でのバックアップ機能(45.8%)」「簡単リストア機能(45.5%)」の順(40%以上)となった(図4-1)。
一方で、バックアップツールを「新規で導入を検討している」または「必要性を感じている(導入時期は未定)」とした回答者に同じ質問をしてみたところ、その順位は「差分バックアップ機能(55.9%)」「クラウド環境でのバックアップ機能(42.4%)」「スケジューリング機能(39.0%)」「仮想環境でのバックアップ機能(35.6%)」「簡単リストア機能(35.6%)」と変化している(図4-2)。
「差分バックアップ機能」が2位から1位に順位を上げ(ポイントは低下)、「クラウド環境でのバックアップ機能」が第7位から第2位へ順位を上げるとともに、割合も9ポイントほど上がっている。
最後に、「バックアップツールを導入済み」とした回答者に、バックアップツールを導入した際に重視したポイントを聞いたところ、「運用管理の容易さ(50.0%)」「安定性(45.2%)」「導入工数・コスト(43.9%)」がベスト3であり、機能や性能以外を重視している傾向が見られた(図5-1)。
同時に、「新規で導入を検討している」または「必要性を感じている(導入時期は未定)」とした回答者にも同じ質問をしてみたところ、「導入工数・コスト(61.0%)」「運用管理の容易さ(52.5%)」「リカバリーの早さ(47.5%)」「安定性(45.8%)」の順となっている(図5-2)。一見、導入コスト、運用負荷(人件費)重視のようにも映るが、「リカバリーの早さ」が導入済みの26.9%から47.5%へと大きく上がっており、性能面にも重点が置かれてきていることがうかがえる。
後編では、バックアップツール導入の目的は「障害時のリカバリー」と「事業継続・災害対策」が二大理由であることや、該当部署であってもリストア経験者は半数程度であること、今後必要とされる機能は「差分バックアップ機能」と「クラウド環境でのバックアップ機能」が上位となっていること、これからバックアップツールを導入する企業では「導入コスト」や「運用管理の容易さ」に加え、「リカバリーの早さ」を重視する傾向があることなどが明らかになった。
非常事態はいつ起こるか分からない。いつそんな状況に陥っても従業員の安否確認や事業を滞りなく継続できるよう、本番さながらの訓練やバックアップツールのリストア含めた運用などを普段から行い、有事の際に備えてほしい。
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