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ラックの基本とデータセンター選び、5つの視点IT導入完全ガイド(1/4 ページ)

企業のインフラ構築に欠かせないデータセンターだが、どんな視点で選ぶべきなのか。ラックの基本も押さえよう。

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 企業のインフラ構築を行うために欠かせないデータセンター。インターネットなど通信網とのアクセスやセキュリティ、地震対策などさまざまな要件を考えると、企業内にサーバルームを設置するよりもデータセンターを選択するケースが多いのも当然だ。そこで、データセンターを選択する際には、どんなポイントに気を付けるべきなのか、幾つかの視点を取り上げる。また、普段取り上げる機会が少ない、サーバやネットワーク機器を搭載する際に欠かせないラックの基本についてもあらためて見ていきたい。

どういう視点でデータセンターを見るべきか

データセンターの立地

 データセンターの立地については、基本的には防災上安全なエリアにあることはもちろんだが、サーバの増設やケーブリングの変更など現地に赴く機会は意外と多い。初期のシステム構築以外にも訪れる機会があることを考慮し、比較的アクセスしやすい立地を選択したいところだ。

 例えば地方に設置されたデータセンターの場合、都心のデータセンターに比べて利用料は安く抑えられるが、システム更改のたびに現地に行く手間とコストを考えると、あまり遠くのセンターを利用するのは得策ではない。最近は新幹線で行けるエリアも拡張しており、おおよそ2時間圏内でアクセスできるような場所であれば十分検討できるだろう。

 もちろん、BPCの観点で設置したバックアップサイトは、メインのサイトとは同一電力管内を避け、それなりに距離の離れた場所に設定する必要がある。なお、地震や浸水などその土地の危険性を調べるには、国土交通省が公開しているハザードマップポータルサイトを利用したい。

電源

 全ての機器が電力で動くため、そのもとになる電源に関しては幾つか確認しておきたい部分がある。まずは、ラック単位の給電容量だ。近年ではブレードサーバやカートリッジタイプのサーバなど高集積なシステムが増えてきており、スペース当たり多くの電力が要求されている。

 しかし、ラックあたりの給電容量が小さいと、ラック単位で契約しても物理的に搭載できる機器に制限が出てしまい、ラックがスカスカの状態のままで運用せざるを得ないということもある。ラック当たりの給電容量の大きなものはコストに跳ね返ってくるが、自社のサービスモデルを十分検討した上で、最適な給電容量が担保できる環境を選択したい。

 当然ながら、停電などへの備えとなるUPSもそれなりのサイズが必要になる。また、高密度実装を行うのであれば、床耐荷重も機器の重さに耐えられるセンターを選択しなければならない。

 また日本は電力供給が安定しているとはいえ、万一の事態に備えてきちんと異なる事業者の複数系統から電力が供給されているか、電源喪失した場合にも自家発電装置でどこまで運用できるのかといった視点も忘れずに確認しておこう。

コスト

 利用するサービスにもよるが、例えばハウジングサービスを利用する場合、ラックの利用料や搭載する機器の定格電力によって発生する電源利用料、インターネット回線利用料、そして運用保守サービスなどマネジメント料金など、それぞれ必要なものが積み上がっていくことになる。これも、当然ながら自社の要件に沿って見積を事前に得たうえで検討していく必要がある。

 実際事業者同士でコスト競争をしている面もあり、1ラック当たりの単価が安く見えるものも多い。ただし、最小構成は安価ではあるが、スケールさせていくと結果として値段が安くならない、特定の回線をバックアップとして引き入れた場合は、急にコストが大きく跳ね上がるなど、予想外にコストが大きくなるケースもある。

 最適なコストで契約するためにも、自社の要求を事前にきちんと積み上げたうえで、見積をしっかりととって確認しておきたい。なお、回線についてはアクセス急増で帯域を一時的に増やしたいというニーズも出てくるため、基本料金でどこまで柔軟に対応できるのかもしっかり確認しておこう。

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