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機械学習ツールやサービスの種類と使いどころを整理するIT導入完全ガイド(6/7 ページ)

「AI」「機械学習」「深層学習」などが注目を集めるが、用語が乱立しており、違いや使い方が分かりにくい。しかし、チャレンジすれば大きなメリットが生まれる可能性もある。

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IBM「IBM Watson」

 IBMのAI関連製品・サービスといえば何といっても「IBM Watson」の知名度が高いだろう。もともとのWatsonの中核技術であった自然言語処理や自動応答の仕組みは、前述の通り、機械学習というよりは辞書と推論エンジンを使ったエキスパートシステムがベースになっている。

 しかし近年のWatsonは、特定の製品や技術ではなく、IBMのAI関連製品・サービスを包含するブランド名称として扱われるようになってきている(ちなみにIBMはWatsonを決してAIとは呼ばず、コグニティブコンピューティングと称している)。そのため、近年のWatsonには機械学習を使ったサービスも加わっている他、同社のPaaSプラットフォームであるBluemixからWatsonのサービスを利用するか、あるいは「Watson Developer Cloud」と呼ばれるAPIライブラリを通じて機能を利用できるようになっている。

 

 さらには、買収したベンダーの深層学習サービスをWatsonのラインアップに加え、今後は学習済みサービスの拡充に力を入れていくことを発表するなど、近年の機械学習・深層学習のトレンドを意識した動きを加速させている。例えば、2017年4月27〜28日に開催された「IBM Watson Summit」では、ソフトバンクにおけるネットワーク保守業務でWatsonのラインアップに連なるソリューションを活用して、対応を開始するまでの判断に掛かる時間を10分の1に短縮したという具体的な事例が発表されている。

図4 ソフトバンクにおけるネットワーク保守業務でのWatson活用例
図4 ソフトバンクにおけるネットワーク保守業務でのWatson活用例 (IBM Watson Summitにおけるソフトバンクの講演資料を基に編集部で作図)

 ここでは、Watson NLC(Natural Language Classifier)を使って、文章の内容を自動で分類、「Watson Retrieve&Rank」を使って、複数の応答内容から最も優先すべきと判定されたものを提示している。

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