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クラウドサービスの利用状況(2017年)/後編IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)

キーマンズネット会員330人にアンケート調査を実施した。利用中のIaaSのサービス名やSaaS導入を推進する部署など実態が明らかになった。

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取引先や親会社からの要請に過去の失敗例

 最後にクラウドサービスを利用していない人に対して「利用しない理由(禁止している理由)」について尋ねた。以下にフリーコメントをまとめる。

取引先、親会社からの要請

  • 親会社方針に沿った運用となるため
  • 顧客のセキュリティ要件に満たないため
  • 公共部門のためセキュリティに少しでも不安があるのであれば導入していない
  • データそのものの秘匿性が高く、クラウドでの運用は外部機関から懸念されている

心理的不安、過去の失敗例

  • レンタルサーバ企業のデータ喪失事故後の対応を見て不安に感じている
  • 過去にあるプロバイダーのサービスを利用していたが、突然サービス停止の通告を受け、対応に追われたことがある

情報漏えいの不安

  • 情報漏えいへの懸念から
  • 開発関連情報や特許取得に関わる情報を社外のサーバに置いた場合の安全性に疑問が残る
  • サーバの国外設置に不安を感じている(法的な不安も含め)
  • セキュリティとSLAに具体性がないため

費用対効果、コスト

  • 費用対効果が見いだせない、費用削減につながらない
  • 費用対効果がオンプレミスより高いかというと「そうではない」という調査結果があるため

 大きく分けて、可用性、セキュリティ、費用対効果の3点でメリットを感じられずクラウドを利用しないという声が見られた。また、自社データが保管されている場所が国内なのか国外なのかといった点も問題となることがあり、それらが原因の1つとなって親会社や取引先から利用を制限されることも少なくないようだ。

 いずれにせよクラウドサービスの利用メリットが多くの企業で認知されてきている半面、既に利用を中止した企業などからクラウド利用におけるリスクも聞こえてくる。これらメリット・デメリットの両方に耳を傾けた上で、クラウドサービスの利用範囲やポリシーを定め、自社に合った活用方法を検討してほしい。

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