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サービスによって大きく乖離(かいり)する「クラウドPBX」選択の勘所IT導入完全ガイド(5/5 ページ)

事務所移転や働き方改革の推進などによってPBX機能をクラウドに移管する「クラウドPBX」が脚光を浴びているが、PBXの機能継承やコミュニケーション基盤連携などサービス選びには落とし穴も。その勘所とは?

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既存のPBX機能をどこまで残すのか

 これまで運用してきたPBXの機能をどこまで残すのかによって、そもそも選択するサービスが異なってくる。これは考え方の違いだが、Skypeを利用するとこれまでとは働き方のスタイルが変わることになる。日本独特の島机で仕事をするような環境ではなく、リモートワークやフリーアドレスなど、従来とは異なる働き方に適したソリューションとなるため、そもそも日本的な働き方に対応したPBXの機能はさほど細かく実装されていない。

 逆に海外ではPBXベンダーとしても認識されているシスコシステムの場合、Cisco Unified Communications Manager(以下、CUCM)などには日本企業の運用にも耐えられるPBX機能が備わっており、それはSparkについても同様となる。既存のPBX機能をできる限り残したいと考えるのであれば、考え方が異なるSkypeはその選択肢にはなりにくいことは理解しておこう。

 PBX機能を可能な限り運用として残すのであれば、Spark以外にもクラウドPBXを提供するさまざまなベンダーのソリューションが選択肢となってくる。既存環境と照らし合わせながら、自社に最適なものを選択していくことが重要になるだろう。

音声品質に影響する網サービスの違いに注意

 通常のソフトウェアにてPBX機能をクラウドサービスで利用する場合、VoIP技術を利用して音声通話が行われる。そのため、スマートフォンなどで電話をかける際は、ソフトウェアPBX専用のダイヤラーを使って電話をかけることになるのが一般的だ。

 しかし、通信事業者が提供するサービスの中には、IP網を経由せずにキャリアが用意している音声網の内線サービスが利用できるものがあり、この場合はスマートフォンに内蔵されているダイヤラーで電話をかけることができる。

 実は、音声品質的には専用の音声網を使った方が品質が良く、さらに内線電話利用時でもWi-Fiを経由しないことでスマートフォンの消費電力をおさえることができるというメリットがある。同じクラウドPBXサービスと言っても、提供する企業によって差があることはしっかりと理解しておきたい。

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