会議支援ツールの導入状況(2017年)/後編:IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)
キーマンズネット会員607人にアンケート調査を実施した。会議を最適化するためのITツールの導入状況や遠隔会議の可能性などなど実態が明らかになった。
「会議は直接顔を合わせて行いたい」と2割が回答
続いて、遠隔会議システムを導入済みの方に、導入時に重視したポイントを聞いた。結果は「ユーザーの使いやすさ・操作性」(62.0%)、「導入コスト」(59.9%)に多くの回答が集まった。また、4番目に「音質の良さ」(31.4%)、6番目「画質の良さ」(25.7%)が挙がった。一方、テレワークでの利用にニーズが高いと想定される「モバイル対応」についてはこちらも8.8%と最も低かった(図3)。
最後に、遠隔会議システムを導入していない人に、導入しない理由を尋ねた。1位は「利用頻度が低い」(52.5%)で、2位は「費用対効果が明確でない」(33.9%)、3位が「ユーザーが活用しきれない」(23.7%)と続いた。
また、4位には「会議は直接顔を合わせて行いたい」(20.3%)がランクイン。5人に1人は顔を合わせて行いたいと思っていることになる。自分の意見を表明する際、人の顔色をうかがいながら発言するといったケースは日本ではおなじみの光景ではないだろうか。昔ながらの慣習から抜け出せていないような状況が想像される。
また、その他(12.7%)と回答した人からは、「初期費用が高額」「経営層が会議に問題があると思っていない」といったコメントが寄せられた。初期費用に関してはクラウドサービスで利用できるWeb会議サービスも多数ある。試用期間でその使い勝手や品質を確かめることもできるので、導入のハードルは下がっているといえるだろう。ただ、品質についてはネットワーク環境にも左右されるため、ビデオ会議や電話会議との検討も十分に行うのが妥当だ。
今回は前後編にわたり、企業における会議の課題やそれらを解決するための施策やIT導入について聞いた。長い、多いといった昔から変わらない量的な課題に加え、今後はテレワーク時の遠隔会議、運用ルールなどの課題も増えていくことが予想される。
どんな時代でも組織で働く以上、従業員同士のコミュニケーションや連携は重要だ。常に最適な道を探りながら、より効率的で効果的な会議、コミュニケーション方法を探ってほしい。
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