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利便性を諦めない、最新のモバイル管理ソリューションIT導入完全ガイド(1/4 ページ)

企業でのモバイルデバイスの利用が拡大する中、モバイルをいかに管理するか頭を悩ませることもある。モバイル管理ソリューションの現状を整理しつつ、有用な機能を紹介する。

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 企業におけるモバイルデバイスの利用が拡大している。特に最近ではデバイス自体のスペックが大きく向上し、ネットワーク速度も上がった。それに伴い、「Office 365」などのクラウドサービスへもモバイルデバイスからアクセスして利用する形態が当たり前となり、今までPCで行っていた業務や作業の多くが、モバイルデバイスでも代替可能になった。

 利便性が高まる一方、モバイルをいかに管理するかも、企業にとって重要な課題となった。利便性を損なうことなく、セキュリティを確保するにはどうすればよいのか。本稿では、MDMからMAM、MCM、そしてEMMへとカバー領域を広げてきているモバイル管理ソリューションの現状を整理しつつ、有用な機能をピックアップすることとする。

「ロック」「削除」だけでは、モバイルデバイスを生かせない

 企業におけるモバイルデバイスの利用は数年前から本格化したが、当初モバイル管理ソリューションと言えば、デバイスの紛失、盗難の際に遠隔操作によって内部のデータを消去したり、操作をロックしたりするMDM(モバイルデバイス管理)の機能が一般的だった。

 しかし、その後もモバイルデバイスを取り巻く環境は進化し続け、デバイス自体のスペックやネットワーク速度は大きく向上した。企業におけるモバイル利用も広がり、大企業では、業務で利用するモバイルデバイス用のアプリを自社開発するところも珍しくない。従来の、「ロック」や「削除」といった禁止を中心にする端末管理方法では、モバイルデバイス本来の利便性を殺すこととなり、企業にとって賢い選択とはいえない。

 こうした中、現在モバイル管理ソリューションでは、端末の管理を行うMDM、モバイル内のアプリの管理を行うMAM(モバイルアプリ管理)、コンテンツを管理するMCM(モバイルコンテンツ管理)の3領域にわたる機能が登場し、これら3つを網羅するEMM(エンタープライズモバイル管理)という分野も登場している。

 「MDMだのMAMだの、M○Mという略語が多すぎてよく分からん」という方も多いだろうが、要はユーザーのモバイル端末をデバイス、アプリ、コンテンツの各レベルで管理する機能があり、それぞれを3つのカテゴリーに振り分けて、便宜的に名前を付けているという話だ。従って、製品を検討する際に、どの機能がどのカテゴリーに属しているのかを知る必要はないが、企業にとって利便性の高い機能はどのカテゴリーで提供されていたとしても押さえておきたい。

 モバイル管理ソリューションにおける便利な機能を説明する前に、スペック以外の面で気に留めたいポイントを紹介する。実際にモバイル管理ソリューションを導入し、運用をしていく上で、ユーザー企業はどのようなことを気にするのだろうか。

クラウドかオンプレミスか

 モバイル管理ソリューションの導入に際しては、クラウドサービスを利用するか、パッケージ製品をオンプレミス環境に導入するかの選択肢になる。結論からいえば、コスト削減や運用負荷の低減を考えてクラウドサービスを選択する企業が多い傾向だ。

 クラウドサービスの場合、初期コストはベンダーによってまちまちで、不要なケースもある。運用コストは、端末1台当たり数百円/月で、その金額に端末台数をかけた価格がトータル費用だ。利用の際には、Webからサービス利用を申し込むことで自社専用のIDとパスワードが発行され、管理者はそのIDとパスワードを使って、サービスの管理画面にアクセスし、管理対象端末を登録するものが多い。登録作業が手間だという場合には、別途費用は発生するが、製品ベンダーや付き合いのあるSIerなどに依頼するという方法もある。

 一方、業種によってはインターネットには接続せず、自社の閉域環境に導入したいというニーズもある。強固なセキュリティ対策が求められる金融業界や官公庁、あるいは製造業などで工場に閉域網を敷いている企業はこの選択を取る場合が多い。

英語で説明の場合も、サポート体制はチェック

 ベンダーのサポート体制もチェックしたいポイントだ。例えばiOSやAndroidがバージョンアップした際に、今まで利用できた機能が突然使えなくなるような事態が発生するかもしれない。基本的には製品ベンダーが対応するはずだが、場合によっては、想定外の不具合が起きることもある。

 こうしたときに頼りにしたいのがサポートだ。ベンダーに問い合わせても、なかなか返事が返ってこない、コールセンターのオペレーターとの意思疎通が難しい、あるいは自分たちでWebサイトのFAQを深堀りしていくと途中から英語表記になり、情報獲得に時間がかかるなどストレスを感じる場面が少なくないという。こうしたことを避けるためにも、製品ベンダーのサポート体制を十分にチェックしておく必要があるだろう。

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