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声やウェアラブルも活用、市場に出回り始めた「健康経営支援ソリューション」IT導入完全ガイド(4/4 ページ)

声の変化で健康状態が分かる時代になった。健康経営を実行する上で利用したいのがウェアラブルデバイスや社員の健康状態、勤務状況などのデータだ。

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心の健康状態を「声」で分析し可視化

 健康経営に寄与するユニークなサービスとして挙げられるのが、「声」で心の健康状態を見える化するクラウドサービス「音声こころ分析サービス」(日立システムズ)だ。音声分析には、PSTが開発した未病音声分析技術「MIMOSYS(ミモシス)」を用いており、日常発する音声を分析し、数値化することによって、本人でも分かりにくい“心の状態”を客観的に捉えることができる。こうして自らの心の調子の傾向を把握することにより、メンタル疾患に陥る前に自覚と予防を促すのである。

 音声こころ分析サービスでは、管理者が大勢の利用者をモニターするためのサポート機能も搭載している。条件に合致した利用者がいると、自動的にアラートを表示したり、情報をメールで送信したりすることも可能で、企業におけるメンタルヘルス対策に貢献する。

その人がその時に必要な栄養素をオーダーメイドで提供

 栄養の偏りが、本来の生産性を損ねているという見地から誕生した近未来を思わせるサービスが、ドリコスが提供する「healthServer」である。

図8 healthServer
図8 healthServer(出典:ドリコス)

 healthServerは、本体に内蔵された生体センサーによるセンシングや、スマートフォンアプリから行動の情報や食事の情報を入力することによって、体調や前後の行動に合わせた、また直前の食事内容を補完するように栄養素を組み合わせて提供するデバイスとそのサービスから構成される。提供される栄養素は5種類からなり、その時の従業員に最適な栄養素の組み合わせと量を自動で決定し提供する。

 さらに、healthServerは栄養素を提供するのみではなく、Webブラウザ上の管理画面から、従業員のスコアを統計データとして確認することも可能であり、健康経営を強くサポートする。

 国内の多くの企業において、健康経営はまだまだ取り組みが始まったばかりであり、ITを活用したソリューションも現状では一部の先行ベンダーによるものに限られている。しかしながら、少子高齢化や医療費の高騰といった社会的課題が深刻化していく中、ビッグデータやAI、IoTといった最先端のITの活用効果が高いこの分野には、今後多くのベンダーが参入して多様なソリューションが提供され、大きな市場を形成していくだろう。

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