無線LAN運用の負荷軽減を軽減する「クラウドWi-Fi」徹底解説(2/5 ページ)
無線LANの運用においてクラウド管理型Wi-Fiの導入ニーズが高まっている。課題だった管理負担の軽減が期待できるからだ。サービス形態、導入メリット、アクセスポイントや管理画面などクラウドWi-Fiの最新トレンドについて紹介する。
ここで、実際にサービス提供されているクラウドWi-Fiの実態について見ていこう。
クラウドWi-Fiとして提供されているサービス
クラウドWi-Fiは無線LANにおける管理機能をクラウドにて提供し、現場にはAPだけが設置されるという印象が強いが、実際にはその生い立ちによってさまざまな形でサービス提供される。
Wi-Fiのみのサービス提供
基本的な無線LAN環境の管理をクラウド上に展開し、拠点にあるルーターやスイッチにAPを接続することで、インターネットや社内環境へのアクセスが可能になる。構成だけを考えるとどのサービスも同じように見えるが、APをコントロールするためのコントロールプレーンがクラウド上にあるのか、監視や管理のみがクラウド上にあってローカルのAP側にコントロールプレーンがあるのかといった違いが出る。
ネットワークの障害発生時に拠点単独で無線LANが利用できるのか、同一拠点に設置されたAP同士が連係して最適な環境を自動調整できるのかなど、コントロールプレーンがどこにあるのかによって差が出ることになる。
スイッチやルーター、UTM含めてサービス提供
無線LANだけがクラウド上で管理できるのではなく、その配下でスイッチやルーター、UTMといった拠点ネットワークに必要なネットワーク機器全般がサービスとして利用できるものもある。スイッチやルーターは拠点には不可欠なものであるし、インターネットへの出入り口でセキュリティが担保できるUTMなどの機能を実装したいと考える企業も少なくない。
これらの機能が全てクラウドコンソールで管理、設定できるようになり、拠点のネットワーク可視化も容易になる。ソフトウェアでネットワーク制御が可能なSDN(Software Defined Network)の世界が簡易的に構築できる。ネットワークにおける運用管理の負担を減らすには便利だ。
付加価値としてのサービス提供
無線LANやスイッチ、ルーターといった必要不可欠な環境に対して、業務において付加価値として活用できる機能が別途用意されるサービスもある。例えば、監視用のWebカメラやIP電話の機能をクラウド環境として一緒に提供するものだ。
特にカメラについては、小売や流通など各拠点の状態をモニタリングしたい企業には便利な機能であるだけでなく、取得した画像を解析し、機械学習を行うことでマーケティングに役立てることも検討されている。
記録された映像はAP側に蓄積され、必要に応じて画像検索もできる。あるエリアを指定して、動きのある時間帯だけの映像を検索するモーションキャプチャー機能を持ったサービスもある。
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