クラウドWi-Fi選びのポイント:IT導入完全ガイド(3/4 ページ)
同じように見えても、ハードウェア実装や無線制御の仕組み、無線に関する考え方など、利用するサービスごとに違いが出るのが「クラウドWi-Fi」。どんな点に注意すべきなのか。
通信が切れたときの対処方法
クラウドWi-Fiでは、AP全体を管理する基盤がクラウド上にあるため、万一の通信障害時にはどのような形で継続してネットワークが使えるのか、しっかり確認しておきたい。実際には、無線環境をコントロールするための機能がクラウド側にあるかAP側にあるのかによって対応が異なる。
前者ではローカルな通信は継続できるものの、認証機能がクラウド側にあるため、通信障害時には新たな通信が確立できないといったことが起こる可能性がある。後者の場合、もともとクラウド側には監視の機能が実装されているだけで、管理機能はAP側にある。
そのため、クラウドとの接続が切れてもローカル側で通信を維持することが可能なだけでなく、新たなデバイスとの接続も、過去にアクセスした認証履歴があれば、そのキャッシュ情報からネットワークアクセスを許可するといったこともできるようになる。
ネットワークサービス全般にいえることではあるが、通信障害の時にどのような動きになるのかしっかり確認しておくとともに、回線の冗長化などサービスを止めない仕組みづくりについても検討しておきたい。
管理者が理解しやすいよう“見せる化”された仕組みかどうか
クラウドWi-Fiのサービスでは、当然遠隔地の拠点をクラウド上で管理することになるため、できれば現場の状況がきめ細かく確認できる仕組みが必要になる。単にシステムログが大量に吐き出されているだけでなく、どのAPにどんなデバイスがどれくらいアクセスしているのか、全てのトラフィックがどういう傾向にあって、どこにアクセスされている傾向が強いのかといった、詳細な状況がひと目で確認できるようなサービスを選びたい。
情報システム部門の立場では、無線が通信できない場合など従業員からクレームを受け付けることもあるだろう。しかし、それが無線に起因しているのか判断するためにはログの解析が必要になる。
すぐに判断できるよう、DHCPの取得時に失敗したのか、認証時にうまくいかなかったのかといった、どの部分で通信障害が起こっているのかが簡単に可視化できるようなサービスもある。使う用途に応じて見やすいレポートが用意されているかどうかも見ておきたいところだ。管理画面は各社によってそれぞれ異なっているため、できればデモや無料お試し版を活用して触ってもらいたい。
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