3分目 Web APIという窓口の登場
前述したように、Web APIとはシステムを連携させ、リアルタイムにデータをやりとりするための手法です。マイクロサービスの説明はまだかと思っている方、ここからが面白いのでもうしばらく辛抱ください。
そもそもAPI(Application Programming Interface)とは、システムの一部の機能を呼び出してデータをやりとりする窓口のことです。この窓口では使える言語(通信プロトコル)が決まっています。英語で話す受付の人には、日本語ではなく英語で話しかけなければコミュニケーションできない、というイメージです。そしてWeb APIとは、「http」というプロトコルを使ってやりとりする、インターネット専用の窓口のことを指します。このWeb APIの登場によって、インターネットを介し、全く別の企業同士でシステムの機能やデータを呼び出せるようになりました。
Web APIにも幾つかの種類があり、SOAPやREST APIといった規格が代表的なものとなります。前者は、「複雑で高機能なもの」、後者は「シンプルで簡単に利用できるもの」とここでは把握しておけばよいのですが、REST APIのようなシンプルで使いやすく、レスポンスが早い窓口を活用することで、他企業のシステムとデータをリアルタイムにやりとりできるようになります。それだけではなく、四宮氏によれば、最近ではWeb APIにAIを取り込み、大量のデータの中から自動的に連携させる情報を選択して外部に出すような技術への取り組みも生まれています。
ちなみに、Web APIは「ネットを介してシステムをつなぐ窓口」だと表現しましたが、呼ばれる側のシステムそのものをWeb APIと呼ぶこともあります。「Web APIを公開して」「Web API化する」といった表現を企業が使った場合は、自社のシステムの機能や情報をオンラインで外部とつなげるように改修、開発したと言い換えられます。
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