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「マイクロサービス」とは? ナナメ読みで納得(4/5 ページ)

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4分目 マイクロサービスで、システム改修が迅速に

 さて、自社サービスをWeb API化するには自社のシステムを改修する必要がありますが、この際にマイクロサービス方式の真価が発揮されると四宮氏は説明します。どういうことでしょうか。

 多くの企業のシステムは一枚岩のような構造で作られていると説明しましたが、この場合システムのたった一部を変更するだけでも、全体を構築し直さなければならず、多大な工数と時間がかかるのです。四宮氏によれば、ある保険会社では新しいサービス商品を出す度に、100人がかりで半年間かけてシステムを改修しているといいます。このようなスパンでは、システムの開発がボトルネックとなり、世の中のスピードに追随できません。

 一方、システムを独立した単一機能の部品に分け、連結させるマイクロサービスの方式であれば、部品ごとに変更や置き換えが可能となり、開発を柔軟かつ迅速に進められます。また、部品同士はREST APIというレスポンスの早い窓口でつながっているため、テスト工程にかかる時間が少なく済み、開発スピードの向上に貢献します。

 メリットをまとめると、マイクロサービス化することでシステムが柔軟になり、Web API化する際にも開発のスピードを早めることができます。そしてWeb API化の結果、他企業とリアルタイムにデータをやりとりできるようになり、結果として世の中の変化に合わせて、自社のシステムだけでは実現できなかった新しいビジネスを創出できる、となるわけです。

マイクロサービス導入のおきて

 とはいえ、既存の大規模なシステムを教科書的に一から分割し、マイクロサービス化するには数年の歳月がかかるため、現実的とはいえません。そこで、一気に分割するのではなく、徐々に分割する方法が推奨されると四宮氏は説明します。具体的には、システムの改修が必要になったタイミングでシステムから一部の機能をはぎ取って変更を加え、既存のシステムとWeb APIで連結することを繰り返して、徐々にマイクロサービス化していくというイメージです。いわゆる変更の要件を全て決めてから開発に着手し、プロジェクトを数年かけて完了させるウオーターフォール開発ではだめで、マーケットの様子や顧客の要望を見ながらシステムに変更を加え、アジャイル開発でマイクロサービスの方式に移行していくことが成功の秘訣(ひけつ)なのです。

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