退職者のPCをフォーマットしてはならない、自社を守るバックアップ製品の選び方:IT導入完全ガイド(4/4 ページ)
自社を訴訟リスクから守るバックアップ製品やアーカイブ製品にはどんな種類があるだろうか。リスクの種類や製品ごとの特性の違いから、選び方を見ていく。
メールアーカイブ製品は導入形態や実装形態に着目
メールアーカイブは比較的歴史が古い製品ジャンルで、現在では国内外のさまざまなベンダーが製品を提供している。比較的成熟が進んだジャンルだけあり、基本的な機能はどの製品もそう大差ないといえる。
例えばメールデータにインデックスやタグを付与して高速に検索できる機能や、メールデータを圧縮してディスク容量を節約できる機能、データの改ざんがないことを保証する機能など、メールアーカイブに不可欠な機能はどの製品も一通り備えていると考えていいだろう。
ただし、導入形態や実装形態には製品ごとに特徴がある。まずメールアーカイブ製品には大きく分けて、メールサーバの手前でいったん全てのメールを受け取り、アーカイブ処理を行う「ゲートウェイ型」と、メールサーバが受け取ったメールのジャーナルのコピーを保管する「ジャーナル型」の2種類がある。
ゲートウェイ型は、メールサーバの手前でメールを受け取るため、セキュリティ対策上のメリットがある一方で、導入にはメールシステムそのものに手を加える必要があり、性能面にも気を使う必要がある。
一方、ジャーナル型はゲートウェイ型に比べるとできることに限りがあるが、その分既存のメールシステムに影響を及ぼすことなく簡単に導入できるメリットがある。それぞれの機能と導入面のメリット・デメリットを考慮しながら、自社のニーズに合致する方を選びたい。
また、製品形態も大きく分けて「ハードウェアアプライアンス型」「ソフトウェア型」「仮想アプライアンス型」に分かれる。処理パフォーマンスを追求するのであれば、専用ハードウェアに実装されたアプライアンス型が有利だが、その分コストがかさんだり、場合によっては運用に手間を要したりすることもある。
近年増えてきた仮想アプライアンス型は、仮想マシンイメージとして導入できるため、ハードウェアコストなしで導入でき、クラウドや仮想化基盤上で利用する際にも運用しやすいだろう。
既に自社のITインフラを仮想化している場合や、クラウド環境上にメールアーカイブを導入したい場合には、仮想アプライアンス型の製品も検討してみたい。
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