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Excelの利用状況(2017年)/後編IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)

キーマンズネット会員313人を対象にアンケート調査を実施した。満足度や他のツールへのリプレース意向などExcelの利用実態が明らかになった。

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企業が「脱Excel」できない理由とは

 最後に「Excelを他のツールに置き換えていない理由」についても聞いている。その結果、1位は「現状で満足している」47.2%、2位は「何に置き換えていいか分からない」35.6%、3位は「費用対効果が測れない」32.8%、4位は「現場の運用を変えることに手間がかかる、現場からの反対が多い」29.4%、5位は「Excel化されたデータの整理ができない」22.8%と続いた(図4)。

図4 Excelを他のツールに置き換えていない理由(2017年)
図4 Excelを他のツールに置き換えていない理由(2017年)

 4位に挙げられているように、現在の運用を変えることに対する現場からの反対や、5位のような、そもそもExcel化されたデータの整理ができないなどの課題はよく聞かれる。特にExcelで組まれている計算式や帳票レイアウトなどは、顧客管理や売上管理、営業や生産活動の進捗(しんちょく)管理、財務会計や見積もり作成など、さまざまな業務で活用される。

 そのため計算式を1つ変更するだけで他の情報にも影響を与えてしまう、またその影響度が把握できていないといった危険性がある。また、他部門にまで影響が及ぶことも少なくないため、運用も変えづらい。一方、そうなってくると管理が特定の担当者に依存し、世代管理や引継ぎのリスクが増えてしまうという負の連鎖に陥るケースも少なくない。

 また一念発起してExcelから他ツールに置き換えようとしても、前述したように専門ツールも多々存在することから、「何に置き換えていいか分からない」や「Excel化されたデータの整理ができない」ことで、整理すべき業務の切り分けもできず、「費用対効果が測れない」といった問題も表出しがちだ。

 これらが複雑に絡み合って企業が脱Excelになかなか舵を切れない状況が続いていると予測できる。一方でExcelが表計算ソフトにとどまらない万能型ソフトであることは周知の事実で、例えばExcelのアドオンとして使えるBIや帳票作成ツールなどを利用しながら、うまくExcelを活用し続けていく選択肢もあるだろう。大切なのは自社業務でExcelがどのように利用されているのかを知り、効率とリスクを正しく判断しながら、自社に合ったツール選択を行うことだろう。

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