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デジタル変革は「5001人の壁」を乗り越えるか7つのITトピックス 2018(1/3 ページ)

調査で明らかになったデジタル変革進展の「壁」。事業創出に期待を掛ける大企業と効率化を求める中小企業。今後、この壁は突破できるのか。

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 キーマンズネットでは、読者1549人を対象に「ITへの投資状況に関するアンケート調査」(実施期間:2017年12月11〜19日)を行った。

 調査結果を踏まえ、キーマンズネット編集部が2018年に注目すべき7つのITトピックスを選定、「働き方改革」「改正個人情報保護法、GDPR対策」「Windows 10導入」「セキュリティ対策」「業務効率改善(RPA)」「デジタル変革(本稿)」「AI(人工知能)活用」について、その実態を1カ月にわたり、順次掲載する。

 第6回である本稿ではデジタル変革に対する意識調査の結果を見ていく。

調査結果サマリー

  • デジタル変革は「ある程度影響がある」が過半数も、中小企業で反応が鈍い
  • デジタル変革の進展状況には「従業員数5001人の壁」
  • 直近の業務課題解消を目指す中小企業、価値創出にウェイトを置く大企業
  • それなりの進展を自覚する大企業、進んでいないことを自覚する中堅以下
  • CDOを置く大企業、置きたいけれど実現していない中堅企業

デジタル変革は「ある程度影響がある」が過半数も、中小企業で反応が鈍い

 まず、「デジタル変革」の影響をどう捉えているかをたずねた。全体では、「破壊的な影響がある」は8.6%にとどまったが、「ある程度の影響がる」が57%と最も高い結果となった。「ほとんど影響はない」は28%だった。

 これを従業員規模別で見ていくと、100人以下の中小企業では全体平均よりも「ある程度影響がある」が6.8ポイント低く、「ほとんど影響がない」は5.5ポイント高い結果となった。逆に、従業員数5001人以上の大企業では「破壊的な影響がある」とした回答者が15.0%と全体よりも6.4ポイント高く、「ほとんど影響はない」は19.5%で全体よりも8.7ポイント低かった。

デジタル変革の影響度合い(全体)
図1 デジタル変革の影響度合い(全体)
デジタル変革の影響度合い(従業員規模別)
図2 デジタル変革の影響度合い(従業員規模別)

デジタル変革の進展状況「従業員数5001人」の壁

 次に、自社がデジタル変革に取り組む意向があるかを聞いた。全体では「既に取り組んでいる」が34.5%であった。

 その他の選択肢では、「今後、取り組む予定だが未着手である(24.5%)」「今後、取り組む予定で調査している(20.7%)」「取り組む予定はない(20.3%)」と、おおよそ20%程度の割合で回答が割れた。

デジタル変革に取り組む意向(全体)
図3 デジタル変革に取り組む意向(全体)

 この結果だけを見ると、取り組み段階がばらついているように見えるが、これを従業員数で分解していくと、従業員数5001人以上の回答グループの取り組み状況が抜きんでて進んでいる状況であることが分かる。

 従業員数が5001人以上の回答グループでは、「既に取り組んでいる」が57.8%と、全体と比較して23.2ポイントも高くなっている。また、従業員数1001〜5000人のグループでは「今後、取り組む予定で調査している」が27.3%と、他の従業員規模のグループよりも5.7〜10.4ポイント高い結果になったことから、今後は従業員規模1001〜5000人の企業でも取り組みが進むと考えられる。

 一方で、従業員数が少ない回答グループほど「今後、取り組む予定だが未着手」や「取り組む予定がない」の割合が高くなった。

デジタル変革に取り組む意向(従業員規模別)
図4 デジタル変革に取り組む意向(従業員規模別)

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