デジタル変革は「5001人の壁」を乗り越えるか:7つのITトピックス 2018(2/3 ページ)
調査で明らかになったデジタル変革進展の「壁」。事業創出に期待を掛ける大企業と効率化を求める中小企業。今後、この壁は突破できるのか。
直近の業務課題解消を目指す中小企業、価値創出にウェイトを置く大企業
何らかのデジタル変革に取り組んでいる、あるいは取り組む意向があるとした回答者には、さらに、デジタル変革の目的を聞いた。
全体で見ると「業務分析と標準化を推進することによるコスト削減」が57%と最も高く、次いで「プロジェクトの効率化などによるコスト削減」(50%)、「新たなIT施策による新規ビジネス創出」(37%)の順となった。
これを従業員数別に見ていくと、100〜500人のグループで「業務分析と標準化を推進することによるコスト削減」が62.6%と、全体と比較して5.8ポイント高くなった。また、5001人以上のグループでは「オープンイノベーションによる収益力向上」が24.8%、「新たなIT施策による新規ビジネス創出」が43.3%と、それぞれ全体よりも5.5ポイント、11.1ポイント高くなった。この結果から、比較的直近の業務課題としての生産性向上を目指す中小企業に対して、価値創出にウェイトを置く大企業という構図が見える。
なお、「その他」の意見としては、人手不足の解消や意思決定速度の向上など、生産性向上を目的としたコメントが目立った。それ以外には、セキュリティ強化を挙げる意見もあった。
それなりの進展を自覚する大企業と「それ以外」
次に、自社のデジタル変革の進展度合いをどう評価しているのかを聞いた。
全体では、「他社と同程度のデジタル化を推進している」が41%と最も高く、次いで「他社よりもデジタル化は進んでいない」(38%)が続いた。他社よりもデジタル化先進企業といえる」とした回答者はわずかに7.9%だった。
従業員規模別で見ると「他社よりもデジタル化は進んでいない」とした回答者が43.9%と、最も高い割合を示したのは、従業員規模1001〜5000人のグループだった。
ただし、従業員規模5001人以上の回答グループ以外では、総じて「他社よりもデジタル化は進んでいない」とする回答が40%以上になっており、他の選択肢の比率においても企業規模別で大きな差にはならなかった。
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