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自動運転の影の主役「ダイナミックマップ」とは?5分で分かる最新キーワード解説(2/5 ページ)

カーナビの道案内機能を超えた高精度3D地図情報が自動車運転を可能にする「ダイナミックマップ」。信号の状態も分かるかもしれない。

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「ダイナミックマップ」の構造は?

 構想されているダイナミックマップは、図2に見るように、各種データを構造化して、位置情報によってひも付けたものである。

ダイナミックマップのイメージ
図2 ダイナミックマップのイメージ(出典:内閣府SIP公表資料)

 上図にある「協調領域」とは、自動車産業各社が共通して利用できる部分ということで、「競争領域」は各社が独自の技術開発によって競争できる部分のことである。国のプロジェクトとして基礎部分は国家予算を使ってつくるが、市場性をもつ実際のサービスや商品は基礎部分を応用しつつ、企業それぞれの強みを発揮してもらおうというのがSIPの進め方なのだ。

 静的情報とは1カ月単位程度で更新されるような、道路の路面や車線、ガードレールや信号をはじめとする3次元構造物の情報のこと。これまで車道レベルの精度でのカーナビ地図などは作られてきたが、ダイナミックマップが想定しているのは車線レベルであり、センチメートル単位の精度をもつような3次元地図だ。これにはガードレールや信号機などの自動車走行に関連する構造物のデータも含まれる。これまでの地図情報に加え、MMS(Mobile Mapping System)と呼ばれる車載カメラとレーダーによる計測装置を用いて実際に道路を走行して取得したデータを合わせたものになる。

 その高精度3次元地図の上に、交通規制情報や道路工事情報、広域気象情報といった1時間単位程度で更新される「准静的情報」が重ね合わされ、その上に事故情報、渋滞情報、狭域気象情報などの1分単位程度で更新される「准動的情報」が、さらにその上に周辺車両情報や歩行者情報、信号情報などの1秒単位程度で更新される「動的情報」が重ねられるイメージだ。

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