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aiboのAIから見るソニーの本気、ディープラーニングツールを公開イベントレポートアーカイブ(1/4 ページ)

新型aiboで注目されるソニー、実は2010年からディープラーニングへの取り組みを開始している。aiboにも搭載されているそのツールの特徴とは?

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 ソニーの犬型ロボットAIBO(現在はaibo)初代機が誕生したのは1999年のこと。この名前はもともと「AI」と「RO“BO”T」の略になっていた。当時からAI(人工知能)応用製品の商品化に野望を持っていたわけだ。しかしその当時は自動認識性能が伸び悩んでいた時期。やがて2012年からディープラーニングの実力を世界が認め、第三次AIブームが到来する。以来、自動認識は年率50%といわれる精度向上を遂げ、Googleなどが華々しい成果をあげていく。ソニーはその影に隠れる形になっていたものの、実は2010年からディープラーニングへの取り組みを始めていた。

 1月31日、東京・六本木アカデミーヒルズで開催された「THE AI 2018」では、ソニーネットワークコミュニケーションズ 兼 ソニー マシンラーニング リサーチャーの小林由幸氏が登壇し、ソニーのディープラーニング応用事例を紹介するとともに、同社がオープンソース製品として提供する「Neural Network Libraries」と「Neural Network Console」の2製品の特徴が説明された。ディープラーニングフレームワークが各種登場している中で、ソニーはどのような取り組みを行っているのか、本稿ではその講演内容をレポートする。

小林由幸氏
ソニーネットワークコミュニケーションズ 兼 ソニー マシンラーニング リサーチャー 小林由幸氏

2010年からディープラーニングに取り組み、ライブラリは3代目

 いち早く「AI」に目を付け、製品に組み込んで販売することをもくろんでいたソニー。2010年からディープラーニング開発者向けソフトウェアの開発を始め、2011年には初のコアライブラリを開発、2013年にはそれを完全に作り替え第2世代のコアライブラリにバージョンアップ、さらに2016年にはまた丸ごと作り替えた第3世代のコアライブラリ開発に至った。

 そして2017年6月、これをNeural Network Librariesとしてオープンソースライブラリとして公開に踏み切った。ディープラーニングライブラリ公開は他社が先行しているが、ソニーはこれを活用するためのコーディングレスのGUIツール開発を2015年から続けてきた。これが他社とは異なるポイントだ。

 開発したGUIツールはNeural Network Consoleと名付け、2017年8月にWindows版を無償公開、同年11月にはクラウド版(オープンβ版)を公開した。同社内で1000人以上が利用しており、ソニーの各種製品にディープラーニング応用技術を盛り込むために活用されているとのことだ。

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