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ガスト全店のマニュアル電子化、5万人の退職者を減らせるか?事例で学ぶ!業務改善のヒント(2/3 ページ)

毎年5万人もの退職者が出てしまうすかいらーくグループ。抜けた穴を埋めるために都度5万人ほどの採用、教育活動も必要だった。そんな同社は離職率低下に向け、マニュアルの改善に目を付けた。その軌跡を追う。

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スタディストの「Teachme Biz」を活用し、動画を盛り込んだマニュアルを展開

 マニュアルの作成、共有にはスタディストの「Teachme Biz」を利用している。クラウドサービスであるTeachme Bizは、PCはもちろん、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからWebブラウザ、もしくは専用アプリケーションを用いて簡単にマニュアルを作成、閲覧できることが特徴だ。

Teachme Bizによるメニューマニュアル
Teachme Bizによるメニューマニュアル。動画に加え、ステップごとに分かりやすく表示する。

 また、これまでのマニュアルは文字を中心に構成されているものが多かったが、Teachme Bizは動画を挿入できるため、より直観的かつ分かりやすいマニュアルが作成できる。日本語の他、4カ国語に対応しているため、すかいらーくで働く外国人従業員にも利用してもらいやすい。さらに、マニュアルを作成すれば、それをオンライン上で共有できるため、わざわざ紙に出力して配布する手間も省ける。

 すかいらーくは2017年10月に、まずはガスト全店(1367店)でTeachme Bizを導入。従業員はそれぞれのスマートフォンから各店舗のID、パスワードを入力することで認証し、電子化された各マニュアルを参照できる運用方法を構築した。

 まず、同社がTeachme Bizを評価するのはマニュアルをオンライン上で配布でき、常に最新版の情報だけを、従業員に共有できる点だ。

 スタディスト 執行役員 庄司 啓太郎氏によると、「飲食店ではメニューの更新が頻繁に行われる。紙のマニュアルでは配布後に間違いなどが発見された場合、修正して再度配布する必要に駆られるが、その際、従業員の手元には最新版と旧版が混在することになり、混乱を招きかねない。ある人は間違えて旧版でオペレーションしてしまうなどといったこともある」と言う。その点、Teachme Bizでは、何か変更が発生した際、マニュアルを上書きして更新しておけば、誰もが最新版を参照することになるため、どれが旧版、新版かといった混乱はなくなる。

 また、Teachme Bizでは、そのマニュアルが従業員によって何度閲覧されたかを計測することも可能だ。同サービスの導入後、ガストでは10月と11月にそれぞれ新メニューの改定を行っており、それぞれの閲覧状況を確認している。それによると、2度目の改定時(11月)の方が初回より閲覧されており(図1参照)、「これはTeachme Bizが役に立つと従業員に受け入れられた証拠と捉えている」(金谷氏)。

 実態としては、ガスト全店で10万4千回閲覧されており、これを1店舗当たりに割り戻すと、77回閲覧されたことになるという。

Teachme Bizの活用状況
図1 Teachme Bizの活用状況。グラフの青線は2回目のメニュー改変時、赤線は1回目のメニュー改変時によるマニュアル閲覧数を示している

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