脱Excelに効く「業務アプリ開発プラットフォーム」:IT導入完全ガイド(2/4 ページ)
Excel作業は何がダメなのか? Excel方眼紙や集計、分析、進捗管理などでExcelを活用すると何が問題なのか。業務アプリ開発プラットフォームによる脱Excelの方法を紹介する。
Excelは個人で使えば超便利、グループで使うと問題続発
上記の各使い方は現場で一般的なケースを記したが、最後の関数やVBA活用のシーンでの課題が深刻である。スキルフルな業務スタッフなら、デメリットを打ち消すような万全な作り込みが不可能ではない。しかしそのスタッフがいないとメンテナンスできないシステムは、長期にわたって使い続けることができないのである。
またデータ量が多くなると性能が低下するのも防ぐことができない。「遅いシステム」は非効率なばかりでなくユーザーからも敬遠されがちだ。便利なはずのシステムが使われなくなっては元も子もない。
以上のように、Excelを個人用ではなく複数人が関わる業務に適用しようとすると、利用者が多くなればなるほどデメリットが大きくなりがちで、任せる業務が複雑であればあるほど、ゆくゆく運用が行き詰まる可能性が高い。つまりコラボレーションに適さず、メンテナンスしにくいのが弱点だ。
本来なら、データベースツール、帳票ツール、BIツール、プロジェクト管理ツールなどを活用してそれぞれ基幹系システムのデータと連携させるなどしながら構築するのが理想だろう。しかしパッケージを導入してカスタマイズし、他のシステムと連携させる技術が業務部門側にないのが課題で、また経営としてもコンプライアンスやセキュリティ上、許可しないケースが多い。
だが、現在では事情が変わってきた。それぞれの業務に特化し、大勢が同時に利用できるアプリケーションを業務部門が自らの手で開発できる「業務アプリ開発プラットフォーム」が続々と登場しているからだ。
業務アプリ開発プラットフォームとは?
特長はプログラミングスキルを必要とせずに業務特化アプリケーションを誰でも開発できる点にある。GUIでアプリ構成用の部品、つまりテキストボックスやリストボックス、ラジオボタン、あるいは画像や写真、文字などを、Excel方眼紙同様の方法で配置して、入力フォームや出力レポートなどのフォームを作成できる。
ユーザーはその入力フォームに決められた内容を入力していけば良い。入力したデータはツールの専用データベースに収められ、幾つかの出力フォームで検索・抽出できる。計算式を設定しておけば集計表も簡単に出力でき、ツールに用意されたグラフ化機能でBIのような視覚化も可能だ。
つまり、入力/出力フォームを画面上でパズルのように組み上げていくとアプリができるイメージだ。そのやり方は、見た目こそ違え、Excelの場合とそっくりといって良いだろう。
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