脱Excelに効く「業務アプリ開発プラットフォーム」:IT導入完全ガイド(4/4 ページ)
Excel作業は何がダメなのか? Excel方眼紙や集計、分析、進捗管理などでExcelを活用すると何が問題なのか。業務アプリ開発プラットフォームによる脱Excelの方法を紹介する。
コストは専門ツールによる「脱Excel」に比べて低くなる可能性あり
そして大事なことだが、こうしたツールは例えば一般的なプロジェクト管理ツールやBIツール、帳票ツールなどと比較しておおむね安価である。クラウドサービスの場合はユーザー数に応じた料金体系であれば小規模利用に有利だろう。中にはオンプレミスシステムで無償利用できるオープンソース製品(プリザンダー)や、クラウドサービスのライセンスを保有していれば無償利用できる製品(PowerApps)などがある。
業務アプリ開発プラットフォームの種類
業務アプリ開発プラットフォームとして先行しているのは、グループウェアベンダーが自社グループウェアとの組み合わせで使える製品(サイボウズの「kintone」、ネオジャパンの「AppSuite」)である。
「PowerApps」はMicrosoftの「Office 365」や「Dynamics 365」のライセンスに含まれているツールの1つで、既にこれらを利用中の企業であれば、Power Appsが追加費用なしで利用できる(※ただし、Office 365やDynamics 365のプランによって一部異なる)。
Office 365やDynamics 365を未導入の企業でも購入すればPower Appsのみを利用するといったことも可能だ。これは基本的にはモバイルアプリ開発向けの製品。よく似た製品にGoogleの「AppMaker」があり、やがて国内でもリリースされると思われるが未定だ。
さらに「Webデータベース」と呼ばれる製品も幾つかある。Excelライクなアプリ開発ができて、Excelでの業務をすぐにWebアプリ化できることが特徴だ。新興ベンチャー、インプリムのオープンソースツール「プリザンター」はダウンロード版が無償で提供されている。1000人規模の企業での利用も始まっているということで、無償だからといって利用制限はほぼない。
Excelのデータやレイアウト、関数など全て含めてWebアプリ化するグレープシティの「Forgucy」は、まさにExcel方眼紙のWebアプリ化ツールである。ジャストシステムはExcelライクな「Unit Base」を提供している。他にもSaaS型の「Webデータベース」は続々と登場している。
また世界的に普及率が高いのはSalesforceのアプリ作成ツールである。こちらは「Force.com」を利用している場合なら非常に開発効率が高いといわれていて、選択肢の1つになるだろう。もっとも「脱Excel」とは少し違い、業務プロセス変更の大鉈を振るうときにむしろ検討したいツールかもしれない。
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