特集
帳票の利用状況(2018年)/後編:IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)
キーマンズネット会員300人を対象にアンケート調査を実施した。データ化のルールやペーパーレスの進展など帳票の利用実態が明らかになった。
ペーパーレス化を実施しない理由とは
最後に「ペーパーレス化を積極的に実施したくない理由」を聞いたところ、「担当者のスキルが不十分」(37.7%)、「取引先が対応していない」(30.0%)、「その他」(28.0%)、「電力がないと閲覧、編集ができない」(20.0%)、「情報漏えいリスクへの不安が払拭(ふっしょく)できない」(18.7%)と続いた(図3)。
一方、全体の28.0%と比較的多かった「その他」に目を向けると、以下のような意見に大別される。
紙運用の方が簡易で、見やすい
- 紙の方が見やすいから
- 作業によっては紙が便利だから
- 紙の一覧性に勝るものかどうかの判断が付かない
- 紙が必要な業務、帳票はなくならない
法令や規則
- 法令により紙保存が必須のものが多過ぎるから
- 実施したいが法的制約があるため、どの程度可能か分からない
- 正確な記録(押印など)が必要だから
予算や費用対効果が見合わない
- 予算がない、業務プロセス管轄部署が動かない
- 個別案件が多いのでコストに見合わない
- 会社規模が大きすぎて対象機器の入れ替え、制度、体制の作り込みがなかなかできず、アナログな運用のままになっている
- 現場は導入したいが、管理部がペーパーレス化への機器導入コストを渋っている状態
既存環境との相性
- 既存システムがペーパーレスに落とし込みにくい
- インターネットの不具合で閲覧できなくなると困るため
人の問題(担当者以外)
- 経営層や管理者がペーパーレス化についていけない
- 社内のITリテラシーが低過ぎる
法的対応が必要、あるいは既存環境との相性が悪いといった声や、紙の方が見やすいといった帳票保管以前の問題に触れるケースも多数聞かれた。一方で予算面での問題や経営層や管理者の意識の問題、データ化への切り替え工数の不足問題など、ペーパーレスを望む方からすると頭を抱えてしまうような意見も多々挙げられており、社内での意識の食い違いなどが原因となって積極的なペーパーレス化が進まない状況も垣間見える結果となった。
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