クラウド時代にハコモノを“あえて出す”ベリタスの意図:イベントレポートアーカイブ(1/3 ページ)
2020年には売り上げを現在の2倍にする。そう意気込んだベリタステクノロジーズが新製品として発表したのが2つのアプライアンス。このクラウド時代になぜ“ハコモノ”をリリースしたのだろうか?
「データ管理は、物理サーバやデータセンターで管理する時代から、クラウドを活用する時代になり、さらにこれからは複数のクラウドサービスを組み合わせるマルチクラウド活用の流れが一層強まる」
ベリタステクノロジーズ社長の大江克哉氏は、新製品の発表の前に、まず時代の変遷とデータ管理環境の変化について語った。実際、同社が13カ国を対象に行った世界規模の調査「Truth in Cloud(クラウドの真実)」によると、IaaS(Infrastructure as a Service)の利用において、グローバルでは42%が、国内では32%の企業が平均して約3社のクラウドサービスを併用しているという。
また、扱うデータにも変化が見られる。大江氏によると「クライアント/サーバシステムの時代は、構造化データが主流であった。しかし、クラウドの時代となり、モバイルアプリやSNSが普及、さらにIoTサービスが生み出すデータが増加したことで、データ量そのものが増加した。今やこれらのデータの主流は非構造化データだ。2020年には非構造化データが全体の98%を占めるようになる」という。
このように、インフラストラクチャおよびデータ管理を取り巻く環境は大き変わってきている。その中で「今までは、データ保護ソフトウェアでは一定の実績を作り上げてきたが、これからはマルチクラウドでのデータ管理分野においてもトップの実績を作っていきたい」(大江氏)。そう宣言したベリタステクノロジーズが、今回、2018年度の戦略とそれに関連した新製品の発表行った。その全容について説明する。
「3年後には現在の2倍に成長」ベリタステクノロジーズの決意
まず、大江氏は、2018年度の日本での成長戦略について述べた。それによると「エンタープライズビジネス」「OEMビジネス」と「4つのエリア(アプライアンス、SDS(Software-Defined Storage)、クラウド、コンサルティング)」の3つをソリューションの軸とし、3年後の2020年には売り上げを現在の2倍にする方針を明らかにした。
OEMビジネスについては、パートナー販売を強化する。既存パートナーであるNEC、富士通、日立製作所の中でも、特に、NECは同社の製品のほぼ全てについてパートナー契約を結んでおり、大手企業や官公庁への販売実績も多い。NECとは今まではソフトウェア販売が中心だったが、これからはアプライアンス製品の販売も開始する計画だ。まだ公表されていないが、富士通、日立製作所ともストレージ分野での新たな協業を進めているようだ。
4つのエリア(アプライアンス、SDS、クラウド、コンサルティング)に関しては、エンタープライズ領域を強化するに当たり、ソリューションだけではなくコンサルティングサービスも併せて必要だと考えている。それには、コンサルティング人員の増強や新たにアドバイザリー部門を立ち上げ対応する。
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