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BPOサービスがテクノロジーに傾倒するワケとは?(3/5 ページ)

深刻な人手不足で企業から注目されるBPOサービスだが、もはや人海戦術では生き残れない。そんなBPOの動向を徹底解説する。

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財務/経理BPOサービス市場

 記帳代行などを中心とした経理部門の業務を外部に委託するBPOサービスで、日常的な仕訳や月次決算、税務処理などが主なものになる。アウトソーシングとしての歴史が古く、需要が一巡していたことで成長率はさほど大きくないが、財務/経理の領域は定型業務が多く、こちらもDXの影響を受けている部分が少なくない。具体的には、RPA(Robotic Process Automation)などを利用して定型業務の自動化を行うといったものだ。

 この領域でのRPA適用については、ユーザー側というよりも業務を請け負うベンダー側に展開されることになる。ただし、業務のどの部分にRPAを活用していくかを検討する中で現状の業務プロセスを見直す場面も出てくるため、単に記帳代行だけでなく、業務プロセスの見直しであるBPRや改善活動を継続して行うBPMなどのコンサルティングもこの領域に入ってくることになる。

 また、企業の活動データは最終的に会計と連動することになるため、複数のバックオフィス系業務を連携させることで、より広範囲にわたって業務の効率化や省力化を目指す企業も増えている。今後は複数の領域を外部に委託するアプローチも注目される。

調達/購買BPOサービス市場

 企業での調達/購買については、製品づくりに必要な原材料など直接材の調達などだけでなく、文具やオフィス家具といった事務用品をはじめ、ドリルやドライバーなどの工具やホワイトボードといった業務に必要な各種備品などの間接材についてもBPOサービスとして提供されている。直接材については製造業を中心に厳格なコスト管理が行われてきた領域であり、委託するよりも内製化している製造業は多くみられる。BPOサービスについては、特に間接材が注目されている部分だ。

 間接材については、本社や支社、工場、研究所など、それぞれ拠点ごとに地元の業者から仕入れるといった方法を採用してきた企業も少なくない。しかし直接材同様、厳格なガバナンスのもとで調達/購買プロセスを最適化し、コスト削減を目指す動きも出始めている。

 そこで用いられるのが、全国どの拠点からも共通のプロセスや価格で調達できるBPOサービスだ。なお、BPOサービスでは、間接材の売り手市場と買い手市場をマッチングさせるサービスを提供するところもあれば、独自にサプライヤー情報を持ち、サプライヤーやカタログ選定の業務を代行するところもあるなど、サービス事業者のビジネスモデルにも違いが出ている。

 この調達/購買BPOサービスは他の領域に比べて歴史が浅く、事業規模自体はまだそれほど大きなものにはなっていないが、コスト削減やガバナンス強化という面ではこれからますます期待される領域だろう。

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