チャットbotとは? 活用するために何が必要? 今さら聞けない基礎知識:IT導入完全ガイド(2/5 ページ)
チャットbotはto Bやto Cビジネスでの顧客接点で、人による対応負荷の削減と顧客満足度向上に役立つのはもちろん、In Bでの活用も増えると予想されている。その概要とメリット、そして利用方法を整理しておこう。
チャットbotを利用するメリット
企業がチャットbotを利用するメリットは何だろうか。ポイントは、利用ユーザーのハードルが低いチャットというインタフェースを使うこと、またその応答をbotで自動化する点にある。
周知の通り、チャットには、1対1、1対N、N対Nのコミュニケーションを気軽に実現できる、マルチ端末で利用可能である、といった利用促進につながる特長がある。また応答にbotを利用することで対応の省人化も可能だ。その結果、チャットbotはビジネスにおいて、マーケティングの高度化、顧客対応コスト削減、人材の最適配置、業務効率化といった価値を生み出している。具体的には、以下のようなメリットが挙げられる。
- 「チャット」というシンプルな仕様によって、エンドユーザーが利用する際のハードルが下がり、コンタクト回数が上がる
- 企業側からプッシュ型配信によって個別に情報を届けることが可能で、リアクションもリアルタイムに得られる
- 顧客のプロフィールをベースに情報発信のターゲティングがしやすい
- 有人対応することなく問い合わせ、回答が完了する可能性が高くなる
- 有人対応よりも素早く回答できる
- 専門的な内容に対して専門家が不在でも適切な一次回答を伝えられる
- 外部の情報サービスと連携が可能なため、乗り換え案内、情報検索、営業情報管理、名刺管理、日報管理などのシステムを使った社内業務にも利用可能
次にチャットbotがマーケティングに使われている例を紹介しよう。例えば、図1の左の画像では、ユーザーの購入履歴を基に、チャットbotが商品をレコメンドする。最近ではユーザーがECサイトへ遷移することなく、チャットの画面上で購入を完了できる仕組みも構築できるため、ユーザーにおける購入のハードルも下がる。結果的に購買率が向上するという。ゴルフメディアを運営する、ゴルフ・ダイジェスト・オンラインではチャットbotを介してコンテンツ、クーポンの配信を行ったところ、30%のコンバージョンレートが得られた。
顧客対応コスト削減の例は、図2のユースケースが分かりやすい。この場合、ユーザーのから頻繁に寄せられる「定期便って何?」といった質問にチャットbotが応答することで人の負担を軽減する。
現在では、問い合わせ対応FAQを行うカスタマーサポートや、商品レコメンド、購買履歴検索を行う接客業務、そしてアンケートおよびキャンペーンなどの販促活動に役立てられる事例が多い。今後の可能性としては、外出先でも使える業務用ツールとして活用が広がるだろう。例えば、製品情報/マニュアル検索、社内情報検索、外部情報検索、業務システムと連携したBI的な目的での利用が想定できる。B to Cビジネスにとどまらず、B to B、In Bでの活用にも大きな期待がかけられているのだ。
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