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チャットbotとは? 活用するために何が必要? 今さら聞けない基礎知識IT導入完全ガイド(4/5 ページ)

チャットbotはto Bやto Cビジネスでの顧客接点で、人による対応負荷の削減と顧客満足度向上に役立つのはもちろん、In Bでの活用も増えると予想されている。その概要とメリット、そして利用方法を整理しておこう。

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チャットbot開発ツールのあらまし

 一般的には、チャットbot開発ツールによってチャットbotに会話機能を付与する。このツールで「あるメッセージを受け取った場合に、どのようなメッセージを返すのか」「どのようなメッセージを発信し、ユーザーからのレスポンスに対してどう処理を行うか」というシナリオを描き、実行できるように定義するのだ。

 チャットbotのシナリオ作成の行程を紹介しよう。まず、質問に対してどのような応答を返すのかを、FAQリストとしてまとめておく。例えば「地方でも買い取り可能ですか?」という質問に対して「全国どこでもご利用いただけます」という回答をひも付けるという具合だ。より正確に応答できるよう、「地方」の類似語の「田舎」も記しておく(図5)。

質問・回答リストの例
図5 質問・回答リストの例(出典:hachidori)質問の文章内で他の表現がされる可能性がある場合は、その候補の単語も記しておく。

 質問に対して1問1答で答えられる場合もあれば、いくつかの選択肢を提示して質問内容を絞り込んだり、質問内容を深めるための逆質問をしたりする必要があるだろう。その応答の流れを画面上でフローチャートのように設計する(図6)。ツールによっては途中で画像などを埋め込むことも可能だ。これでチャットbotのシナリオが完成する。

 シナリオ作成の工数は例えばHachidoriというツールでは、図6、図7のように専門知識識のない人でも視覚的に分かりやすくシナリオを作成できたり、また比較的簡単にメンテナンスや改善ができたりする。また、一問一答を繰り返す単純なQA botなら、FAQの内容がまとまりさえすれば、そのExcelシートを読み込ませた後、約2週間で利用を開始できるという。

 ワークフローツールなどの利用に慣れた方はお気付きだろうが、こうしたフローはいくらでも複雑化でき、複雑さの度合いによって運用が難しくなっていく。チャットbotが間違った答えを返した場合、正しい答えを選べるよう1つ1つ訂正するチューニング作業にも骨が折れる。そこで、開発ツールによってはAI技術を利用して、少しでも人手をかけずに、対応品質を上げていける仕組みが盛り込まれている場合がある(コラム参照)。

対応ルール(シナリオ)の作成画面例
図6 対応ルール(シナリオ)の作成画面例(出典:hachidori)
商品に関する問い合わせへの応答内容の設定画面例
図7 商品に関する問い合わせへの応答内容の設定画面例(出典:hachidori)

 実際に、どのくらいの投資が必要なのだろうか。コスト面では、初期費用は数十万円、運用は月額で数万円と比較的軽い負担でチャットbotを使った仕組みを構築できる。制限つきの無償利用版を提供するベンダーもあるようだ。スモールスタートして効果を見ながら、改善や拡張を図れるので、まずは試してみることをお勧めしたい。ちなみに、チャットbotで問い合わせ対応を効率化している企業の担当者は、このQA作成、シナリオ作成が「本当に楽しい」と話していた。

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