保留や転送、スマートフォンでどうやるの? クラウドPBXサービス運用の現実:IT導入完全ガイド(3/5 ページ)
クラウドPBXサービスやスマートフォンによる内線化を実現するために必要な脱PBX、脱固定電話の仕組み。その具体的な機能ついて画面を見ながら紹介する。
管理者として求められる機能
指定時間での発着信制御
スマートフォンによって固定電話の代替えを行う場合によく話題になるのが、時間外での電話応対についてだ。長時間労働の削減が1つの柱になる働き方改革でも同様の議論になるが、時間外での作業を極力なくすためにも時間による発着信制御が求められる。具体的には、勤務時間外などあらかじめ指定した時間帯の着信に対して、着信先を自動的に変更したり任意のアナウンスを流したりすることが可能になる。
スマホ紛失のリスクに備えるMDM機能
持ち歩かない固定電話と違い、スマートフォンでは紛失・盗難のリスクが出てくるのは当然だ。そこでいわゆるスマートフォンからの情報漏えいリスクを軽減するためのMDM機能が備わっている。スマートフォン内のデータを全て遠隔消去するリモートワイプや、電話機能のみを削除するアプリケーションワイプなどが一般的だ。
また、そもそもアプリケーション内に電話帳などの機能を持たせず、Web上に一元管理して情報漏えいを防ぐWeb電話帳の機能など、サービスによってセキュリティを意識した機能が提供されている。
簡易ユニファイドコミュニケーション機能
最近では、チャットやSNSなど異なる手段で社員同士のコミュニケーションを実現するケースも増えているが、クラウドPBX内の機能ででも、電話帳と絡めてチャット機能を提供しているサービスもある。コミュニケーション基盤を統合するユニファイドコミュニケーション環境が模索される中、電話とチャットの統合を可能にする簡易的なユニファイド機能が備わっており、実際に利用している企業も多い。
今後実装が期待される機能
スマートフォンによる電話機能の集約とクラウドPBX化によって、例えば多店舗展開をしている企業が各拠点のコール状況を的確に把握するなど、コミュニケーションの見える化は今後も加速していくことだろう。
また、会話の音声データを機械学習によってテキスト化し、テキストマイニングによってその情報を分析することで、営業場面に役立てたり、マーケティングの企業なデータとして利用したりするなど、これまでできていなかった音声のデータ活用といった領域は、今後も注目される。クラウド側にPBXを統合したことで可能になることは、これからも増えていくことだろう。
ただし、音声のデータ化に際しては、SIPサーバ上で録音用と通常通話上でパケットを同時に2つに送信する必要があり、単純に見ても処理が2に倍となってくる。技術的にもパフォーマンス的にも技術的には悩ましい部分があるのが実態だ。
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