IoT活用への取り組み状況(2018年)/後編:IT担当者300人に聞きました(1/2 ページ)
キーマンズネット会員209人を対象にアンケート調査を実施した。IoTプラットフォームの利用率や課題など、企業におけるIoTへの取り組み状況が明らかになった。
キーマンズネットは2018年6月11〜22日にわたり、「IoT活用への取り組み状況」に関する調査を実施した。全回答者数209人のうち、情報システム部門は43.5%、事業部門が37.3%、管理部門が12.4%、経営者・経営企画部門が6.7%といった内訳であった。
今回は、IoT活用で導入済みもしくは導入予定の「IT製品/サービス」や「無線通信ネットワーク」、IoTプラットフォームの「認知度」や「利用率」、IoT活用における「課題」などを調査。IoT活用企業が増加傾向にある一方で、導入・運用コストや専門人員の不足などが導入障壁になっていることなどが分かる結果となった。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
IoT通信ではLPWAに注目が集まる
前編では企業におけるIoT活用への取り組みについて、大企業の5社に1社が既にIoTを活用しており、全体でも「認知」だけではなく「取り組み」が進み始めている現状に触れたが、後編では企業がIoT活用に向けて具体的にどのような技術を使用しているのか、はたまた今後はどのように考えているのか、などを見ていきたい。
まずIoT活用で導入済みもしくは導入予定のIT製品/サービスについて尋ねた。その結果、40%を超えたのは「無線通信ネットワーク」42.3%、「センサー、ビーコン」40.3%の2項目で、次に「カメラ」26.8%、「データ分析ツール」20.8%などと続く結果となった(図1-1)。センサーやビーコン、カメラといったデータの取得や発信に関わる機器はもちろん、それらの収集を担う無線通信ネットワークの必要性が最も重視されているようだ。
そこで「無線通信ネットワーク」と回答した方に対し「導入中または導入予定の無線通信ネットワーク」を追加質問したところ、1位「Wi-Fi」90.5%、2位「Bluetooth」39.7%、3位「携帯電話ネットワーク(4G、LTE、MVNOなど)」38.1%、4位「LPWA(SIGFOX、LoRaWANなど)」27.0%、5位「Wi-SUN、Zigbee、Z-Wave」「NFC」14.3%と続く結果となった(図1-2)。
ここで注目したいのはLPWAだ。2017年の同調査では12.2%だったが、今回の調査では一気に27.0%まで伸びている。IoT機器向けの無線通信技術であるLPWAは4GやLTEなど携帯電話ネットワークと比べ安価でかつ広範囲の通信エリアをカバーでき、省電力性にも優れている点が注目を集めている。
昨今ではNTTドコモやKDDIなど大手を含めた国内取り扱い企業が増えてきており、それに伴い国内活用事例を目にする機会も増えてきた。これらのことから今後もLPWA躍進が続くものと予測されよう。
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