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IoT活用への取り組み状況(2018年)/後編IT担当者300人に聞きました(2/2 ページ)

キーマンズネット会員209人を対象にアンケート調査を実施した。IoTプラットフォームの利用率や課題など、企業におけるIoTへの取り組み状況が明らかになった。

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欧米勢だけではない、国内IoTプラットフォームも存在感

 LPWAのような無線通信ネットワークやビーコンのようなIT製品を使いデータを収集し、クラウドや自社サーバに入れて統合し分析データに変えて初めてIoT活用の一歩となるわけだが、この仕組みを全て自社で構築しようとすれば大きな負荷が掛かることは想像に難くない。そこで注目されているのがIoT構築に掛かる要素をまとめて提供する「IoTプラットフォーム」であろう。そこで今回は国産ベンダー含め、国内で提供されている主要なサービスについて認知度を聞いた。

 その結果、認知度では「AWS IoT(Amazon Web Services)」「IoT ソリューション アクセラレータ(Microsoft)」などの海外ベンダーに続き「IoT Platform(富士通)」「NEC The WISE IoT Platform(NEC)」などの国産ベンダーが挙がった。既に「利用中」や「利用してみたい」といった項目では「AWS IoT(Amazon Web Services)」や「IBM Watson Internet of Things Platform(IBM)」の割合が高く、サービス認知度に比例して利用割合も高い傾向が見て取れた。

多くの回答者が「導入障壁」で挙げたものは?

 最後に企業がIoT活用に取り組むにあたり“課題”と感じる点はどこにあるのか、調査したところ「導入コスト」54.4%、「運用コスト」49.7%、「専門的な知識を持った人材が不足している」37.6%、「収集データを分析できる人材が不足している」36.2%の4項目が上位に挙げられた(図2)。なおこの順位は2017年に行った同調査から変わっていない。その他フリーコメントでは「経営層に投資生産性を納得させる見せ方のアドバイスが欲しい」「廉価にPoC(Proof of Concept:概念実証)ができる環境がほしい」といった意見も寄せられていた。

 IoT導入における障壁は、導入や運用に掛かるコスト面と専門的なスキルを必要とする人材面での大きく2つがあるようだ。特に人材不足に関してはIoTソリューションの実装や構築に関わる知識と経験がある人材に加え、蓄積したIoTデータを活用する専門人員の不足も課題として挙げられていた。もちろんこうした専門的知識を持つ人材の確保には相応の人件費が掛かることになり、導入や運用に掛かるコストに跳ね返ってくるだろう。

 一方、前編で触れた通りIoT活用企業は増加傾向にあり、それに伴いIoT導入経験者や支援経験を持つベンダーも増えている。またIoT構築を支援するコンサルティング企業など関連サービスも続々市場に参入してきており、人材不足をカバーする選択肢も増えてきた。コスト面に関してもLPWAなど無線通信ネットワークの技術向上や、センシング機器提供ベンダーやIoT導入支援企業など参画企業が増えることにより全体的に価格が抑えられてきている。こうした背景からIoTの導入障壁は緩やかに解消されていくだろう。何よりもこうした市場の成熟化によって、企業のIoT活用メリットが浸透してきていることもあり、今後IoT活用に取り組む企業はますます増えていくだろうと予測される。

IoT活用における課題
図2 IoT活用における課題

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