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【BI導入事例】2倍の受注に「2倍働く」以外の答えを作る――名古屋のものづくり企業が選んだ方法を取材した(2/3 ページ)
製造工程が「ぶっ通しで20時間」もかかるエンジンを取り扱う三菱重工航空エンジン。受注が増える中でサプライヤー管理や品質管理、需要管理の工程を効率化した。IoTなどの未来志向の技術を、現場の効率化に還元する。何にどう効果があったのか。
マクロ地獄で自部門ががんじがらめに
同社にBI環境がなかったわけではない。セルフサービス型で、ユーザー部門がおのおのでデータを集めて加工するための、統合データベース基盤「e-Work DB」を整備してきた。
e-Work DBで多くのデータを集約し、ユーザーに解放するデータを1カ所から取得できるように構築したデータベースだ。収集したデータについては、提供前にあらかじめ加工してExcel形式で提供する仕組みにしていた。
このシステムを用意したことで個々の要件毎に個別のユーザーが収集と加工を行ってきた作業を効率よく行えるようになったという。
しかし、このアイデアも利用ユーザーが増えたことで、要求のバリエーションや件数が増え、対応仕切れない状況が生まれた。データ加工に使うマクロ類の開発が追い付かず、既存のマクロのメンテナンスも困難になった。利用者の要求に対応し切れなくなった吉野氏の部門はとうとうユーザー部門からつつきあげに遭うようになってしまった。
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