IT資産管理ツールの導入状況(2019年)/前編(3/3 ページ)
PC以外の管理端末が増えた今、IT資産管理ツールの需要が伸びている。導入率や導入形態、1ライセンス当たりの価格などを企業に聞いた。ここ数年で動きはあったのか。
増える端末の管理にWindowsアップデート……IT資産管理導入の目的は?
IT資産管理ツールを「導入済み」「導入予定」と回答した人を対象に、IT資産管理ツールの導入目的について聞いたところ「IT資産の管理手間削減」67.6%、「IT全般統制」65.7%、「セキュリティ・情報漏えい対策」59.3%、「ライセンス管理によるリスク回避」49.1%、「Windows 10のアップデート管理」28.7%と続いた(図6)。この結果を前回調査と比較した際、注目すべきは「IT資産の管理手間削減」への回答割合が増加していることと、今回新設した「Windows 10のアップデート管理」項目が全体の3割の票を集める結果となったことだ。
前者についてはこれまで触れてきた通り、PC以外にもタブレットやスマートフォンなど従業員1人当たりが持つクライアント端末が増えていることや“働き方改革”などを背景に端末の社外利用が増えたことなどが要因の1つと考えられる。後者については、Windows 7のサポート終了が2020年1月に迫る中、企業でもWindows 10への移行が進んできていることの表れだろう。従業員の利用端末が増える中、アップデートやライセンスの管理負荷が情報システム部門を悩ませている現状が垣間みれる結果となった。
最後に、IT資産管理ツールについて「必要性を感じるが検討しない」「必要性を感じない」と回答した人を対象に、その理由を聞いた。「必要性を感じるが検討しない」と答えた回答者からは、「ワンマン社長の一言」「経営陣に経費計上を認めさせることができない」といったコメントが寄せられ、経営者の理解を得ることが難しいケースがあることがうかがえた。また、必要性を感じていても予算などの問題で断念せざるを得ない場合もあるようだ。
一方、「必要性を感じない」と回答した人からは、「IT資産管理ツールを必要とするほどの規模ではない」というコメントや、「ツールの効果やメリットが分からない」といったコメントが寄せられた。現状では、目視の突き合わせを行い、Excelなど集計して管理しているようだ。
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