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プロセスマイニングとは? RPAとの関係、効果、製品選定や運用のポイント(1/4 ページ)

業務効率化の特効薬として期待を寄せられるRPAだが、導入に伴う業務の棚卸しには多くの企業が苦労している。この問題を解決に導く「プロセスマイニング」という手法がある。一体どのようなものなのか? 概念や効果、製品選定のポイント、導入の注意点を解説する。

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RPAの普及に伴い注目されるようになった「プロセスマイニング」

 業務効率化のための特効薬として、多くの企業から期待を寄せられているRPA(Robotic Process Automation)。急速に普及が進んでいるが、現在の業務プロセスをきちんと把握できず、「どの業務がRPAに適しているのか」「そもそもこの業務は本当に必要なのか」といった点を曖昧にしたまま、RPA導入に踏み切ってしまうケースも多いようだ。

 非効率かもしれない、既存の不透明な業務プロセスをそのままRPAで自動化しようとすると、ロボット化に多くの手間と時間を要する。非効率なプロセスを取り込んだだけのロボットは、運用を始めた後も予期せぬ原因で停止しやすく、その度に業務が滞ってしまう。それだけでなく、実は必要のないプロセスを自動化していたという本末転倒の状況にもなりかねない。

こうした問題を避けるため、最近はRPA導入前に既存の業務プロセスを入念に分析し見える化することで、無駄なプロセスを廃止したり、よりRPAの自動化に適した形にプロセスを改善したりする企業も増えてきた。ただし、従来は業務プロセスの分析・改善を行うには、高額な費用を払って外部からコンサルタントを招き入れる必要があった。複雑な業務プロセスの場合、1億円以上の費用がかかることもあり、RPAによる業務自動化・省力化で得られる効果とのバランスが取りにくい。

 そもそも、業務プロセスの現状を分析して問題点を洗い出し、それを改善していくことで競争力を強化する取り組みは、1990年代から「BPM」「BPR」として提唱されており、2000年代初めにかけて多くの企業が試みた。しかし高いコストや大胆な組織変革を必要とすることから、実際に成果を上げられた企業はほんの一握りだった。

 もっと手軽に、コストや時間をかけずに企業の業務プロセスを可視化・分析できる方法はないか――この課題を基に、2000年代初頭から欧州を中心に研究が進められてきた。その結果生まれたのが、「プロセスマイニング」と呼ばれる手法だ。

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